全国高校バスケットボール選手権(東京体育館)に出場中の開志国際は26日、想定外の形で3回戦敗退が決まった。仙台大明成(宮城)に不戦敗。日本バスケットボール協会から出場辞退指示が出され、戦わずして涙をのんだ。不戦敗の理由は、1回戦で対戦した専大付(東京=117○48)の関係者から新型コロナウイルス感染症の陽性反応者が出たため。濃厚接触者にあたる専大付の選手とゲームを行った開志国際の選手も、今後の感染の可能性を考慮され、悔しい棄権を余儀なくされた。コロナ禍の大会欠場はこれで男女合わせて6校、7チーム目だが、自チームに体調不良者が1人もいないまま、出場辞退に追い込まれた事例は大会初となった。

開志国際が協会側から一報を伝えられたのは3回戦前夜の25日午後11時ごろ。3回戦当日の26日午前9時ごろに宿舎を訪れた大会役員2人に出場辞退の指示を受けた。チームスタッフ、選手、保護者が集まり、話を聞いた。富樫英樹監督(58)は「本当に残念で、無念です」。出場辞退を知らされた選手たちは「泣きじゃくっていた」と言う。対戦予定だった仙台大明成の佐藤久夫監督(71)も「想像のつかない、彼らのつらさはあると思う」と開志国際のスタッフと選手を思いやった。チームは地元に戻り3、4日待機してからPCR検査を受けるが、これは当初から予定に組み込んでいたものだった。