男子テニスで今月1日に現役最後の公式戦を終えた錦織圭(36=ユニクロ)が11日、東京・有明コロシアムで、自身の功績をたたえるイベント「UNIQLO LifeWear Day Tokyo 2026 with Kei Nishikori」に参加した。元世界ランク1位のロジャー・フェデラー氏らとのトークショーでは、世界のトップ選手たちと戦った日々を振り返り、憧れの相手への敬意を語った。

自己最高の世界ランキング4位に到達した15年ごろの心境を問われると、上位の選手たちがいなければ、と考えたこともあったと冗談交じりに明かした。フェデラー氏、ナダル、ジョコビッチにマリーを加えた「BIG4」が立ちはだかった時代。その強さを振り返りながらも、「どうにかそこに入っていかないといけないっていうのは、僕らの1番のモチベーションだった」と、挑戦することが原動力だったと語った。

中でもフェデラー氏は「1番大好きな選手」。16歳ごろ、米マイアミで練習をともにした経験を鮮明に覚えており「これが世界一が打つボールなんだって。すごく刺激的でいい経験でした」と振り返った。また、独特の感覚にも驚き、「天才ってこういう人なんだ」と感じたことを明かした。

憧れの相手と勝負することには難しさもあったという。過去10度以上の対戦経験があるが、「最初に対戦した時は、本当に大好きな選手と試合をして勝たないといけないっていうのがすごく難しくて、最初はものすごく苦労しました」と打ち明けた。一方で、真剣勝負の中にも、華麗なショットを決められた際は「スーパーショットを見せられるとうれしくなることがあった」という感情があったことも明かした。

フェデラー氏のプレーを「完璧でなかなか弱点がない選手」と表現。フェデラー氏も、16歳当時の錦織について「将来のスーパースターになる人」と聞いていたことを明かし、「いつか自分が負ける日が来るかもしれない」と話していたことも振り返った。

錦織が「どこまでがお世辞?」と尋ねると、フェデラー氏は「お世辞ではありません」と笑顔で回答。錦織は「ちょっとイチャイチャしてすいません」と、信頼関係をうかがわせる場面もあった。

イベントではダブルスでフェデラー氏と対戦。時折リラックスした表情を見せながら、満員の完成を背にコートを駆け回っていた。【勝部晃多】