高校日本一を決める春の高校バレーが開幕した。2年ぶり出場の福島商が初出場の近大付(大阪)をフルセットの末、2-1で逆転勝ちし、春高初勝利を飾った。3年生ダブルエースの羽田汐音(しおん)と菱沼夏輝が2人で総得点73点の半分を超える計37得点を奪い、チームを引っ張った。

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創部84年目の福島商が、2度目の挑戦で初勝利を手にした。福島県勢では13年の相馬以来8年ぶりの勝利に、選手たちも歓喜爆発。この試合16得点を挙げた菱沼は「ベスト8を目指す上で、最初で負けてはいけない気持ちが強かった」と会心の表情で振り返った。

第1セット(S)を落とし、第2S序盤には主力の高橋輝(あきら、3年)が左足首を負傷するアクシデントに見舞われたが、何とか挽回し第3セットへ突入。まさに「エール」が後押ししたように、191センチの長身を利した菱沼のサービスエースや羽田の3連続得点で、形勢は逆転した。羽田は「(負傷した)高橋本人に『諦めるな』と声をかけられ、ここで諦めちゃダメだと思った」と奮起し、最多21得点と活躍した。

大会直前は関東、北信越遠征を予定していたがコロナ禍で中止となり、地元で練習を積んできた。鈴木雅広監督(55)は「ゲームができない不安はありましたが、時間差攻撃にブロックがついていけたので、成果はあった」と笑顔だ。

今日6日の2回戦は鹿児島商と対戦。羽田は「ディフェンス面をしっかりやって、そこから点数を取れるバレーをしたい」と前を向いた。【相沢孔志】

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