女子代表・長岡商(新潟)は、誠信(愛知)に2ー0でストレート負け。1回戦で涙をのんだ。主力メンバーの岡副華(おかぞえ・はなか=3年)の右膝のケガが1セット目で悪化し無念のリタイア。最後まで粘りを見せたが、チームの持ち味を出し切ることができず試合終了。石山ルル主将(3年)は、岡副と抱き合い涙を流した。今年の悔しさを後輩に託し、3年生の春高バレーは幕を閉じた。

 

試合終了後、石山主将(3年)は岡副(3年)の元に駆け寄り、涙を流して抱き合った。石山が「ごめんね」と声をかけると岡副は「ありがとう」と答えた。

ケガからの復帰を目指していた岡副は、3日の練習中に右膝のケガが悪化。試合本番のため練習を中止し懸命にリハビリ。曽根監督に「大丈夫です」と伝え、初戦に臨んだ。

1セット目は相手の高さに阻まれ、ブロックの脇や高い打点のスパイクを立て続けに決められ、重苦しい雰囲気が流れる。その後、相手の強烈なスパイクが岡副に。「ケガの膝がずれた」岡副はドクターストップがかかり、コートを後にした。

「岡副の分まで戦おう」と巻き返しを図った2セット目は粘りを見せたが、最後まで悪い流れを断ち切れず試合終了。石山は「華(はなか)とは中学の選抜から一緒にバレーをやってきて、学校ではクラスも一緒。『スパイクも華に持って行って、決める場面をたくさんの人に見せたい』と話していた」と明かし、「今日勝っていれば明日も一緒に試合ができていた」。その申し訳なさから「ごめんね」と伝えたという。

岡副は「全然『ごめんね』と思ってほしくなかった。今まで自分のケガが続いてバレーができない時期があったにもかかわらず、コートの中で戦えたことが“奇跡”だと思った」と話し、みんなに一緒に戦ってくれてありがとうという気持ちで「ありがとう」と伝えたという。

石山は「もう1回、春高に戻ってきてほしいと強く思います」と話し、岡副は「足りなかったモノを突き詰めて、最高のチームになって戻ってきてほしい」と後輩に思いを託した。【飯嶋聡美】