女子で10年ぶり5度目出場の帯広南商(北海道)は、春日部共栄(埼玉)に0-2で敗れ、14大会ぶりの勝利を逃した。

第1セットを競り合いの末、24-26で落とすと、第2セットは16-25で振り切られた。主将の松本杏胡(3年)は「負けたのは悔しいけど、つらい練習を乗り越え、みんなで励まし合いながらここまでやってこられた」と振り返った。

状況は厳しかった。市中での新型コロナウイルス感染の拡大にともない、先月19日から1月1日まで全体練習を自粛。それまで個別練習しながら大会を迎えた。冨田誠治監督(59)は「練習再開からわずか4日。このような中で、子どもたちがよく頑張った。ありがとう、ご苦労さまとしか言えない」とねぎらった。

体調不良で主力2人が欠場。戦力的にも大きなハンディーを抱えての参戦だった。逆境の中、チームをけん引したエースの脇坂日和(3年)は「満足な練習はできなかったが、これもいい経験。無観客で歓声は少なかったが相手と真っ向勝負している感じで、いい時間だった」と振り返った。

悔しい敗戦を次に生かす。機を見たバックアタックなどで奮闘した2年生の大西美緒は「予想できない向きにボールが飛んできた。この経験を糧に、来年は自分が引っ張って、この舞台で勝てるようになりたい」。高校総体中止など、コロナ禍に振り回されながらも必死で取り組んできた3年生の思いを、受け継いでいく。【永野高輔】