渡部暁斗(32=北野建設)が銅メダルを獲得した。前半の飛躍(ヒルサイズ=HS137メートル)は137・5メートルを飛んで2位。後半距離(10キロ)ではトップと22秒差でスタートし順位を1つ落としたが、日本人初となる3大会連続の表彰台を死守した。

個人ノーマルヒル5位、団体4位と悔しい思いをしてきたが、最後はメダルをたぐり寄せた。

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渡部暁が今大会、やっとメダルを手にした。逆転優勝を狙った後半の距離。2月26日の個人ノーマルヒルでは前半飛躍で2位につけながら、5位で表彰台を逃した。「金メダル以外考えていない。色は金にこだわって戦いたい気持ちが強い。まだ持ってないタイトル取る方が大事」と意気込み、臨んだ今大会最後の個人種目で力を出し切った。

前半の飛躍でビッグジャンプを見せ、2位と好位置で折り返した。直前で風向きが有利な向かい風に変わった。好条件を味方につけ、ぐんぐん距離を伸ばしてヒルサイズ越えの137・5メートルで着地した。しっかりテレマークも決めて、146・7点。距離でトップとは22秒差。渡部暁の走力なら十分ひっくり返せるタイム差につけた。

世界選手権初出場は07年札幌大会で、今大会で8度目の出場だ。金メダルは09年チェコ・リベレツ大会の団体のみ。個人では17年ラハティ大会ラージヒルの2位が最高だったが、これで個人では3大会連続で表彰台に立った。今季W杯で荻原健司と並ぶ日本勢最多通算19勝目を挙げ、自信とともに挑戦した世界選手権。22年北京五輪での金メダルへ、大きな布石となった。