沼津市内を拠点とする「アスルクラロフェンシングアカデミー」が、今月1日から活動を始めた。スクール運営団体「CROSS SPORTS JAPAN」(沼津市)の理事長・長良(旧姓・久枝=ひさがえ)円(まどか)さん(42)と、アカデミーのアドバイザーを務める夫の将司さん(43)が指導する。2人は日本代表として、それぞれ2度のオリンピック(五輪)に出場。オリンピアン夫妻が未来の日の丸を背負う剣士を育てる。【取材・構成=古地真隆】

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-現在のアカデミーの状況を教えて下さい

円氏 静岡県東部を中心に、既に20人を超える生徒が入会しています。幼稚園の年長以上の生徒が、年齢や競技レベルに応じて6つのクラスに分かれて練習しています。

-初心者でも大丈夫ですか

円氏 もちろん大丈夫です。道具がなくてもできる練習はあるので、まずはフェンシングに興味を持ってもらえればと思います。経験者には考えて勝つ楽しさを伝え、トップを目指す選手は1つの技術にこだわって取り組んでほしいです。

-2019年2月に、沼津市と日本フェンシング協会は包括的連携協定を締結しました

円氏 私たちは19年4月に沼津市へ移住しました。代表合宿の受け入れや、情報発信などの市の取り組みで、子どもたちが競技に触れる機会が増えています。ありがたく感じています。

-サッカーJ3沼津との業務提携も結ばれています

将司氏 プロサッカークラブとの提携は、国内のフェンシングクラブとしては初めてです。入会の手続きや、生徒への連絡などの事務的な役割を担っていただいています。継続的な連携を深め、スポーツを通じた地域の活性化につなげたいです。

-来月1日には、アカデミーの公式の練習拠点となる「F3BASE(エフスリーベース)」が、沼津駅北口前の商業施設・BiVi沼津内にオープンするそうですね

将司氏 民間のクラブとしては、国内最大規模の練習環境だと思います。駅の目の前で、街の中心部にある。アクセスの良さも魅力です。

-最後に目標を教えて下さい

円氏 各年代のカテゴリーに日本代表選手を送り出したいです。

将司氏 世界で活躍する、競技のシンボル(象徴)となるような選手を育成したいです。

◆F3BASE フェンシング、フレンドシップ、フィットネスの英語表記の頭文字「F」を3つ合わせて命名。加えてフェンシングには、フルーレ、エペ、サーブルの3種目があることにも由来する。

◆長良円(ながら・まどか)1979年(昭54)1月11日、熊本・八代市生まれ。中学時代は陸上部。熊本県立氷川高でフェンシングを始め、法大に進学。女子サーブル日本代表として、アテネ、北京五輪に出場。夫の将司さんは男子サーブルでシドニー、アテネ五輪に出場した。1男1女との4人家族。