女子50メートル自由形は池江璃花子(日大3年)が25秒02で初優勝した。予選を25秒20の全体1位で通過すると、決勝ではタイムを0秒18伸ばした。

昨年は、当時東洋大2年の親友、今井月が24秒93の学生新、大会新で初優勝。池江は白血病から復帰間もないにもかかわらず、25秒62で4位に食い込んだ。今回は今井がいないレースとなったが、2位山本茉由佳(4年)、3位持田早智(4年)とともに、日大勢で1、2、3フィニッシュ。ゴール後は3人が1つのコースに集まって喜びを爆発させた。

「去年は4番で、すごく悔しい結果で、今年は絶対に優勝したいと思って、最後まで頑張った」と池江は5月の福岡世界選手権に向けてステップアップを誓うとともに、日大の1~3位独占について「初日にすごく良い流れができた」と胸を張った。

 

<池江の日本学生選手権>

◆19年9月(日大1年) 白血病闘病中で不出場。一時退院を利用し3日連続で東京辰巳国際水泳場に駆けつけて応援。「今年は出られずに本当に悔しかったので必ずまたリベンジします」とコメント。白血病公表後初の公の場だった。

◆20年10月(同2年) 白血病からの復帰2戦目で、インカレ初出場。50メートル自由形で予選は25秒87で全体6位、決勝は25秒62で4位。「今の状態では上出来です。悔しいですが、この気持ちが活力になっていく」。翌日には体調不良者が出たことで400メートルリレー予選に電撃出場。引き継ぎで56秒19を記録し、全体2位での決勝進出に貢献した。

<池江の東京五輪> 

100メートルのバタフライと自由形でリレー代表として選出された。開会式翌日の7月25日に400メートルリレー予選の第2泳者で登場。日本は3分16秒20で全体9位で決勝を逃した。池江は白血病からの2度目五輪に「またこの舞台で泳げてうれしい」と言った。

2種目目は同29日の混合400メートルメドレーリレー。背泳ぎ小西-平泳ぎ佐藤-バタフライ松元に続くアンカーで自由形を泳いだ。3分44秒15の全体9位でまたもあと1歩決勝に届かなかったが「皆が笑顔で送り出してくれてハッピーな気持ちだった」と喜んだ。

3種目目は同30日の400メートルメドレーリレーに第3泳者バタフライで登場。3分57秒17で全体6位。3種目目でついに決勝に進出した。

競泳競技最終日の8月1日に同決勝に出場。3分58秒12で8位入賞。「1度はあきらめかけた東京五輪だったんですが、リレーメンバーとして決勝の舞台で泳げて、すごく幸せだなと思います」と涙した。