念願のメインコートに立つ。全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ)が23日、東京体育館などで開幕する。4年連続5度目出場の羽黒(山形)は、昨年も同選手権に出場した加藤律輝主将(2年)と期待のルーキー・小川瑛次郎(1年)がチームの軸を担う。8強入りを目指して挑む初戦は24日、初出場の浜松開誠館(静岡)と対戦する。

目標の全国8強へ羽黒が突き進む。司令塔の加藤は「安定した得点力と仲間を生かすアシスト。キャプテンとしてチームの雰囲気を高めて力を出し切りたい」と抱負を語った。1年生で出場した昨年は3年連続の初戦突破に貢献。2回戦でつくば秀英(茨城)に敗れたが、全2試合でチーム最多の41得点、9アシスト、9スチールと攻守で存在感を見せた。

初夏の敗戦を秋の勝利につなげた。6月の全国高校総体県決勝では米沢中央に敗戦。斎藤仁監督は「(6月の)予選後にチームを1回リセットしようと思いました。3年生の進路を優先に考えて2年生の主将で土台作りを始めました」。

翌週から加藤を主将に据えて再始動。基礎的な部分から修正を重ねていった。10月の県決勝は米沢中央に雪辱して優勝。来る全国舞台では「山形県や東北を代表するチームとして羽黒高校らしいバスケットをしたい」と躍進を誓った。

期待のルーキーも大舞台を心待ちにする。秋田市出身の小川は城南中3年時のジュニアウインターカップで全国優勝を経験。6月にはU-16日本代表候補合宿に参加した注目選手だ。「3ポイントやドライブから点を取ることが自分の仕事。先輩方の思いを背負って、プレーでちゅうちょしないで自分がやれることは全部やり切りたい」と意気込み、がむしゃらに戦う姿勢を見せていく。

スポーツ強豪校として知られる同校は、男子サッカー部も冬の選手権に出場する。加藤は「インターハイは男子バレー部が出場した。いろいろな部活動が全国大会に出場していることはすごいと思う。ほかの部活に負けないという気持ちもある」と闘志を燃やした。縦横無尽に40分間コートを駆け抜け、1勝ずつ積み上げる。【相沢孔志】