全国バスケットボール選手権・ウインター杯(23日開幕=東京体育館ほか)に開志国際(新潟)が男女アベック出場する。インターハイは男子がベスト16。3回戦で優勝した中部大第一(愛知)に敗れ、涙をのんだ。女子は8強入りした。冬にさらに上位を狙う男女チームをけん引するPGは、沢田竜馬と曽根妃芽香。ともに1年生がチームを統率する。1回戦、男子は24日に福岡大大濠、女子は23日に県岐阜商と対戦する。

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コートに立てば1年生司令塔、PG沢田は強気になる。「足を引っ張りたくない。プレッシャーはある」という緊張感を、集中力に変えてボールを相手陣に運ぶ。ツーガード制を敷くチームでSG内田貴斗(3年)と役目をシェアするが、ゲームを主導するチームの“心臓”は沢田だ。「プレスに引っ掛からないようにプレーしたい。攻めるポイントを見極めながらやる」。持ち味のスピードをドリブルにも生かす。

1年生PGにかかる負担は富樫英樹監督(59)が一番、分かっている。「荷は重いけれど頑張ってほしい。キーは沢田」と言う。痛めていた左膝関節を入学後に悪化させ、春は1カ月、練習から遠ざかった。だが復帰後の北信越大会からスタメンを獲得し、以降、正PGの座は譲っていない。昨年の主将、石原史隆(同大1年)に12日にかけられた言葉、「1年だから難しいと思うけれど自分が引っ張る気持ちでやれ」も胸に深く刻んでいる。

4年連続4度目のウインター杯。初戦の相手は高校総体4強の福岡大大濠。いきなり迎える大一番だ。尽誠学園(香川)でSGを務める兄大夢(3年)から組み合わせ決定直後に電話がかかってきた。「倒してこいよ」。兄の声にも背中を押され、勝利をつかみ取りにいく。【涌井幹雄】

◆沢田竜馬(さわだ・りょうま)2005年(平17)10月10日生まれ、岡山県出身。東陽中出身。バスケットボールは小3から倉敷ミニバスクラブで始める。ポジションはPG。167センチ、65キロ。