宮城ASCの男子3兄弟がチームフリーに登場。熱のこもった演技で、スタンドから見守るクラブ関係者の期待に応えた。日本選手権で男子3人が初めて同時に泳ぐ歴史的演技に拍手がわいた。

鈴木郡(ぐん、山形・創学館高1年)、歩樹(あき、山形・東根市立大富中3年)、輪(りん、同中1年)の3人で、初の日本選手権に緊張しながらも、大舞台を楽しんで泳ぎきった。

AS競技歴9年の郡は「思い切り楽しくやるぞという気持ちだった。それができてうれしい」と声を弾ませた。すると、同歴8年の歩樹が「演技の全てがうまくいったわけではないが、達成感がある。チームのみんなの仲が良くて、ここまでこられた」と続けた。同歴6年で12歳の輪は日本選手権はもちろん、チームで大会を泳ぐのも初めてだったが、「いままで練習してきたことが見えてきて、楽しみながら泳げた」と落ちついて話した。

3月16日、チームの地元宮城が震度6強の地震に襲われた。拠点の利府町の総合プールが壊れ、練習ができなくなった。それでも、日本選手権を目指して福島などでプールを探し、間もなく練習を再開。郡は「市民プールでは練習環境が違い、たいへんだった。でも、チームで団結して楽しくできるようにした」と振り返った。

この日の得点は69・7667で出場22チーム中の22位(日本代表はオープン参加のため順位対象外)。「まだまだ実力不足。JOやチャレンジカップ、そして、来年につなげるようにしたい」という輪の言葉通り、3兄弟はこれからの練習に、さらなる力を入れていく。