昨年の世界選手権団体女子代表の木原美悠(18=エリートアカデミー)が2-4で敗れ、初優勝を逃した。2-0から逆転負けを喫し、女子ダブルス、混合ダブルスを制していた早田ひな(22=日本生命)に3冠を許した。試合後は「うれしい半分、悔しい半分という気持ちです」とすがすがしい表情を浮かべた。

序盤から両コーナーへ丁寧に突き、第1ゲーム(G)を11-9で奪った。第2Gでは3-6とリードを許すも、相手のフォアハンドへ攻め込む。ジュースの末に13-11で奪取した。

しかし、第3G以降はサーブレシーブで苦戦。このゲームを5-11で落とすと、第4Gを8-11、第5Gを7-11で落とした。第6Gはゲームポイントを握られる中、しぶとくジュースへ持ち込んだが、10-12で奪われた。

2ゲームを先取した場面を振り返り「自分のほうがチャンスをつくることができた」とうなずいた。早田との決勝へは「サーブレシーブが大事」と対策して臨んだが、試合が進むにつれてかわされた。「後半は早田選手がしっかり対応してきて、そこに自分が対応しきれなかった」と唇をかんだ。

14歳で決勝へ進んだ4年前と同じ、2位となった。ただ、その声は明るい。

「3種目に出場してシングルスだけ表彰台というのは少し悔しい部分もあるんですけど、このシングルスが今後につながるし、すごく大事だと思うので、2位になれてほんとによかったなと思います」

1年後の全日本選手権まで続く24年パリ五輪(オリンピック)代表選考レースでは、大会前の時点で4位だったが、準優勝したことで50点を加算。通算156点で2位に順位を押し上げた。

今の目標は「オリンピックに出場してメダルを取ること」。これからは相手の対応力を上回るべく、さらに戦術の引き出しを増やす。【藤塚大輔】

◆今大会で加算されるパリ五輪代表選考ポイント数

1位=60点、2位=50点、3、4位=40点、5~8位=25点、16強=10点、32強=5点

◆大会前の選考ポイント上位8人

〈1位〉早田ひな(164点)

〈2位〉伊藤美誠(117・5点)

〈3位〉平野美宇(109点)

〈4位〉木原美悠(106点)

〈5位〉芝田沙季(102点)

〈6位〉長崎美柚(97点)

〈7位〉石川佳純(87点)

〈8位〉佐藤瞳(69点)