今季初の同一カード連勝だ! B1仙台89ERSが滋賀レイクスを81-64で破り、3連勝。37-36で迎えた第3クオーター(Q)、開始から3分半で連続15得点と流れをつかみ、主導権を握った。小林遥太(31)が14得点5アシストの活躍でMVPを獲得。古巣・滋賀に成長した姿を見せた。

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全員の勝利へ向かう気持ちが結実したホーム初連勝だ。ゼビオアリーナ仙台を埋め尽くす3913人のブースターが見守る中、小林は「最高でーす!」と右手を突き上げた。試合は、リバウンドではジャスティン・バーレル(34)、ネイサン・ブース(28)、ベイリー・スティール(25)の3人が計37リバウンド。リバウンド数は滋賀「26」に対して仙台「44」と圧倒。外国籍選手がつくったチャンスを日本人選手が得点につなげるシーンも多く見られた。滋賀の勢いが増した時間帯に、交代で入った選手たちが堅守で踏ん張ったことも大きく、小林は「チーム全員、みんな頑張った。本当にうれしいです」と振り返り、ブースターと喜びを分かち合った。

7度目の正直だ。これまで第1戦を勝ち、第2戦を落としたのは6回。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=36)は「悪いときは、流れを持っていかれっぱなしで、勝てる試合を落としていた。どこかゆるんでしまう部分があったと思います」と振り返ったが、この日は全員が第2戦の重要度を理解していた。「今回は『負けられないぞ』という雰囲気を選手から感じた」と藤田HC。ようやく味わうことができた同一カード連勝に「ホームでやっと連勝できて、同一カードでやっと連勝できた。非常にうれしい連勝です」とかみしめた。

藤田HCや選手らが口をそろえる「今季一のビッグゲーム」を制し、後半戦は4試合で3勝1敗。小林は「9連敗は本当に苦しかったし、なかなか光が見えなかった。この3連勝はチームにとって自信になる」。残留争い脱出の光明が差し、自信を取り戻した仙台が、ここからさらに上を目指す。【濱本神威】