ラグビー「リーグワン」で開幕から12連敗と苦しむ花園近鉄ライナーズのオーストラリア代表SOクウェイド・クーパー(34)が、チームに闘争心を植えつけた。

23日、東大阪市花園ラグビー場で次節横浜キヤノンイーグルス戦(25日、大分)に向け練習を公開した。左アキレス腱(けん)断裂で長期離脱し、14日に再来日したクーパーは雨の中、1つ1つのプレーを細かく指示。練習後は自ら選手を集めて“緊急ミーティング”を開いた。

「負けが続いていることには、いくつかの理由がある。けが人がいるのも一因だし、新しく入った選手は我々のスタイルを学んでいる途中で試合に出ている。『ミーティングをやるぞ!』ということで今日はみんなを招集しました。『我々のラグビーはこうなんだ!』というのを伝えるためです」

昨年8月の南半球4カ国対抗戦・アルゼンチン戦で重傷を負い、母国で治療とリハビリに専念していた。

「チームを支えたい思いがあっても、それができないし、歯がゆい思いをしていた。せっかく昇格させたチームなのに、1部で一緒に戦えていないのはつらい。コーチング、サポート、できることは全てやりたい。そして、いずれフィールドに立つ」

まだ完全合流はできていないが、この日は仲間の練習を見守った後に、キック練習をこなした。

「筋力は戻ってきている。メンタルの準備もできている。私の考え方は日々、やるべきことをしっかりやることだ。毎日のスタンダードを高く設定することで、おのずと結果はついてくる」

オーストラリア代表でも経験豊富な司令塔が帰ってきたことで、チームの雰囲気は変わった。水間ヘッドコーチは「ダメなものはダメだと、いいことを言ってくれている。我々も言い続けているが、選手の口から意見が出てくるのはいいことだ」と話した。

4月下旬のリーグ最終節、もしくは5月の入れ替え戦までには復帰する可能性が高い。

大ケガから戻ってきたクーパーが、花園を1部に残留させ、秋のW杯へと歩む。