4日のテニス全仏オープン女子ダブルス3回戦で、加藤未唯(28=ザイマックス)の送球がボールガールに直撃し「失格」となった騒動について、大会責任者のトーナメントディレクター、アメリ・モレスモ氏が11日、パリ・ローランギャロスで会見した。
決定は「かなり明確なグランドスラム(4大大会)の規則に基づいた」ものだとして、主審やスーパーバイザー(運営責任者)の判断を尊重。フランスTVinfoの公式サイトが「モレスモ氏が論争に答える」とのタイトルで報じた。
同氏は会見で23年大会を総括。大きなトピックとなった加藤の失格に関して聞かれると、まず「ロッカールームでは非常に意見が分かれている。たくさんの人が『不公平だ』と言っていて、また別の人々は『7、8分の間、ボールガールを泣かせたことには何か意味がある』と意見していたと聞いた」と賛否両論を紹介した。
続けて「私は(是非について)コメントするつもりはない。決定を下した後にビデオを見ることは簡単だからだ」と言い、その場で映像確認しなかった主審と運営責任者の行動に対して「とても明確なルールに照らし合わせた結果」と、ビデオ判定しなかったことは規則通りと擁護した。
実際、加藤は当初の「警告」から「失格」とされた後、映像判定を求めたが、認められなかった。現行の規則では、ビデオ判定の対象となるのは、試合中のボールのインとアウトの確認だけとされている。
その後、加藤は賞金とポイントを没収されたが、続く混合ダブルスに出場し、初の4大大会制覇という対照的な成果で笑顔を取り戻した。
一方、ある種目で失格になった場合「以降の種目にも出場できなくなる可能性がある」と規則に明記されている中で、温情とも、罪滅ぼしとも捉えられる大会側の判断が、また別の物議を醸しているが、モレスモ氏は「彼女(の大会参加)を継続させる決定があったことは、少なくとも彼女にとってポジティブに働いた」と一件落着感を出した。
今回の失格問題に関しては5日、不服とする加藤が4大大会委員会(GSB)を提訴。プロ選手協会(PTPA)も7日に「処分は不当で不公平」との声明を出し「最低でも賞金とポイントを回復させる必要がある」と指摘していた。(松本愛香通信員)


