9月8日開幕のラグビーW杯フランス大会に臨む日本代表が12日、千葉・浦安合宿で本格始動した。

代表36人、故障者などを除いた同候補4人の計40人が参加。標高8848メートルの世界一の山を例えに「エベレストを登る」とテーマを共有し、昨秋築いたベースキャンプから歩み始めた。

リーグワンでベスト15に輝いたWTB木田晴斗(24=クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)ら新戦力、W杯4大会連続出場が懸かる最年長37歳のフッカー堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)ら復帰組も融合し、絆を育んで世界一を目指す。

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88日後のW杯開幕へ、1歩目から雨に打たれた。

桜のエンブレムが入った練習着をぬらしながら、日本代表は基本となる防御の陣形作りを確認した。

19年日本大会で過去最高8強に導いたジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は目標を示した。

「ファイナル(決勝)に向けたチーム作りをしないといけない。まずはトップ8。ケガをしない状態で、前に行くことが重要です」

エベレストを登る-。

誰もが知る世界一の山を、チームの歩みに例えてきた。

「ベースキャンプ」と名付けた昨秋は、王国ニュージーランドに31-38と善戦。欧州遠征ではW杯1次リーグで対戦するイングランドに13-52、開催国フランスに17-35で敗れ、現在地を知った。

主将を務めた29歳のフッカー坂手は言った。

「戦いに行く準備はできてきている。ここからギアを上げるのが、今の立ち位置。ベースキャンプを出て『デスゾーン(標高8000メートル超えの領域=W杯本番)』へ息上げの段階です」

合言葉がある。

その1つは「絆」。

強豪に体格で劣り、準決勝以降の経験値もない。厳しい局面の結束は不可欠で、前回大会の「ONE TEAM」は流行語になった。

浦安合宿も3日前の9日に集合し、ミーティングでの意思統一から手を付けた。

2つ目は「勇気」。

リーグワン決勝の逆転トライで東京ベイを優勝に導き、初代表の木田も「必要な存在だと思われるようなプレーをしたい。ハイボールのコンテスト(競り合い)、得意なランニングスキルを見せたい」と物おじしない。

ジョセフHCは「もしかしたら1回のチャンス。自分から取りにいかないといけない」と全員に国際レベルでのプレーの質を求める。

3つ目は「導く」。

現時点で主将は定めない。ジョセフHCは坂手、主将経験者でフランカーのリーチ、最年長の堀江、前回大会代表のSH流の名を挙げ「ふさわしい選手がたくさんいる」と期待した。

コンディション調整で昨秋の代表活動を辞退した堀江は「『リーダー』と言われなくても、やらなアカンこと、伝えなアカンことがある」。坂手も「全員がドライブして、導いていかないといけない」と力強く言い切った。

練習場のラグビーポールを包むカバーには「Our Team(私たちのチーム)」と記された。

頂への道では時に視界がなくなり、脱落者が出るかもしれない。それでも日本の誇りを胸に登る。

坂手は誓った。

「W杯、楽しみです。いい準備をして、いいチームを作って、臨みたいです」

絆、勇気、導く。ぶれない信念がある。【松本航】

◆今後の代表 30日までの浦安合宿後、代表と候補の計46人から総数を10人程度減らす。8月5日フィジー戦までの5試合を消化後、W杯登録メンバー33人を決定。イタリア遠征で同国と本番前最後の実戦に臨み、9月10日に控えるチリとのW杯1次リーグ初戦に備える。浦安合宿は9日に全員が集合し、この日は候補からプロップ小林、フランカー下川、WTB高橋、レメキが参加。FW第3列で故障から調整中のラブスカフニ、ガンター、タタフらを念頭に、ジョセフHCは「戻ってくるのはいいこと。全員がハードワークし、選考が難しいのがチームにとっていい」と期待した。

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