どうなる首都圏偏在-。
ラグビー「リーグワン」は3日、24~25年シーズンから受け入れる新規参入チームの状況を発表した。対象は秋田ノーザンブレッツ(秋田市)、セコムラガッツ(埼玉・狭山市)、ヤクルトレビンズ(埼玉・戸田市)、ルリーロ福岡(うきは市)の4チームに絞られた。
参入数はリーグを偶数チームで運営するために「3」を予定している。だがセコムとヤクルトはホストスタジアムの施設基準で確認中の項目があり、結果次第では「1」に変更となる可能性がある。最終決定は24年1月末を予定している。
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約4カ月後の最終決定に向け、分かりやすい形で新規参入への道筋が示された。財務と過去の戦績を基に評点合計4点のセコム、ヤクルト、福岡。秋田は同2点で3チームを追う。
参入数の「3」か「1」かは年内に発表を予定。23年12月下旬からはトップイースト、ウエスト、キュウシュウの各リーグ上位2チームが集う「3地域社会人リーグ順位決定戦」が開催され、1位4点、2位2点、3位1点の評点が与えられる。どのラインに達すればリーグワン参入かを、明確にしていく流れとなる。
リーグワンでは新リーグ開幕となった22年1月から、首都圏偏在が課題とされてきた。当初はリーグワン参入申請をしていたコカ・コーラが21年、1季目は参戦していた宗像サニックスが22年に事実上の廃部。福岡の2チームを失った。12月に開幕する新シーズンの1部も北は埼玉、南は神戸の12チームとなっている。
今回、新規参入の候補となった4チームの内訳は、首都圏2チーム、首都圏以外が2チーム。新規参入審査の過程では、地域性による評点の設定は行われていない。
「財務」「過去の戦績」は点数付けし、それ以外の「ホストスタジアム」「ホストエリアの自治体や地域協会との連携・協働」「育成チームの所有・運営状況」などは「充足」または「未充足」で評価された。
この日、取材に応じた東海林一専務理事は「戦力の均衡は必要。地域の部分だけで加点する考えはとらなかった。一方で基準を明確化し(4チームの中から今後の戦績で新規参入が)結果的にどうなるか分からないが(首都圏以外の)地域の参入チームが増える(見通し)。他にも関心を持っていただいている地域、企業はある。設定している基準を満たして入っていただき、より広がりをもっていきたい」と説明した。地域性に関しては、中長期的な発展を目指していくことになりそうだ。【松本航】
◆現在の評点付与項目(財務、過去の戦績)
◇秋田ノーザンブレッツRFC=充足(評点合計2点=財務2点、過去の戦績0点)
◇セコムラガッツ=充足は一部継続確認中(評点合計4点=財務4点、過去の戦績0点)
◇ヤクルトレビンズ=充足は一部継続確認中(評点合計4点=財務3点、過去の戦績1点)
◇ルリーロ福岡=充足(評点合計4点=財務3点、過去の戦績1点)
※日立サンネクサス茨城は不充足項目があり、24~25年シーズンの参入対象チームには該当せず