“五郎丸2世”の呼び声はだてじゃない。日本代表候補の佐賀工SH井上が本領発揮した。開始早々の前半1分だ。10メートル左中間ラックから左へ持ち出す。「目の前が空いていた。いけると思った」。ステップを踏み、体もひねる。リズミカルなフットワークで相手守備をあしらった。最後はゴール中央に飛び込み、電光石火の先制トライだ。「みんながつないでくれた。決めないといけない場面だった」と振り返った。

キッカーでは正確無比の左足で面白いように沈めた。PGを含む計5ゴールと百発百中。ゴールキックは前の試合から10本連続成功中で、今大会は3試合で17本中16本を決めている。PGも3本中2本で、合わせてキック成功率は90%を誇り「自分のキックは宝物」と言うほどだ。元日本代表で同校OBの五郎丸歩氏(37)からは、1年時に直接指導を受け、「キックでチームに勢いを与えられるように」という金言も授かった。井上は「自分のキックでチームに貢献できている。それが本当にうれしい」と偉大な先輩がくれたアドバイス通りの活躍ぶりだ。

キック練習に妥協はない。試合ではゴールポストの間を通すことが求められるが、練習ではポストに当てることを意識する。「練習はポールに当てるまで蹴り続ける。コツコツとやってきた練習が生きているのかなと思う」。地道な努力の積み重ねがゴール量産につながっている。

チームは準優勝した00年度以来23大会ぶりの4強に進んだ。5日の準決勝で前回王者・東福岡との大一番を迎える。前回大会では逆転負けを喫した宿敵で、花園では過去4戦全敗している。井上は「目指しているのは優勝のみ。どことやっても勝つだけ」と必勝を期す。大会初となる九州勢対決のセミファイナルを制し、悲願の花園初優勝まで“がばい旋風”を巻き起こす。【佐藤究】

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