夏季を含めて日本女子最多のオリンピック(五輪)メダル通算10個を誇るスピードスケートの高木美帆(31=TOKIOインカラミ)が6日、都内で引退会見に臨んだ。ラストレースとなった3月の世界選手権から約1カ月がたち「いまだに実感がわいていないところもある」と思いを明かした。
引退を決めたきっかけには「求めるアスリート像になりきれていないと感じる時間が増えた」と告白。18年平昌五輪、22年北京五輪時と比べて「もっと上に行こうと自分を律して、押し上げるパッションが少しずつなくなっている」と実感し、「今が退くタイミングなのかなとすんなり受け入れた。決断したというより受け入れた」と説明した。
26年ミラノ・コルティナ五輪では、最大目標としていた1500メートルでは6位にとどまった。「まだ自分の気持ちがしんどいときもある。見ないようにしているときもある」と振り返った。ただ、引退を決意し「この決断に後悔したり、後戻りしたいと思うことはない」ときっぱり口にした。
今後については「この先スピードスケートにかかわるかどうか分からない」と明かした一方で、「歩んできたスピードスケートとの時間はなくなることはない」と明かした。興味のある分野を2つ挙げて「脳と体の関係について知見を広げて深めていけたら」「人の健康寿命、思考に関するノウハウを深めたり、広げる活動ができたら」と描いた。
また会見冒頭には、同じ所属先でスノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢がサプライズで登場し、花束を贈られ「びっくりして頭が真っ白」を驚く場面もあった。
5歳から競技を始め、10年バンクーバー五輪に15歳で出場し「スーパー中学生」と呼ばれた。14年ソチ五輪は落選を味わったものの、18年平昌五輪では金、銀、銅の3つのメダルを獲得した。
22年北京五輪では、日本勢1大会最多となる4メダルを手にした。今年2月に行われたミラノ・コルティナ五輪で、500、1000メートル、団体追い抜きで銅メダルを獲得。夏冬通じて日本女子最多となる10個目のメダルに到達した。
3月に自身のインスタグラムで「世界オールラウンド選手権を私のスケート人生の一区切りにしようと思っている」と宣言。短距離から長距離の4種目総合で争う世界選手権のオールラウンド部門で銅メダルを獲得し、有終の美を飾っていた。


