第98回全国高校ラグビーは今日7日、大阪・花園ラグビー場で平成最後の決勝戦が行われる。2大会連続の決勝進出で悲願の初優勝を狙う大阪桐蔭(大阪第1)は6日、東大阪市内で最終調整した。昨年4月の選抜大会決勝で26-46で敗れた桐蔭学園(神奈川)との再戦へ気合は十分。ここまで全出場校中最多の245得点で、自慢の「いてまえ攻撃」でAシード同士の頂上対決を制す。

決戦に向けた最後の練習が終わると、大阪桐蔭のメンバー全員が大きな輪になった。肩を組み1人、1人が大声を張り上げる。

「俺たちはどこの代表や? そうや、大阪の代表や。大阪を背負って戦うんや。最高の舞台にしよう!」

決勝戦には昨夏の甲子園で春夏連覇を達成した同校野球部が応援に駆けつける。最強の援軍が、ラグビー部を後押ししてくれる。円陣の中心にいたCTB松山千大(ちひろ)主将(3年)は「今までは野球部が日本一になってもラグビー部はなれなかった。その歴史を変える。僕たちは大阪のプライドを背負っている」と言い切った。平成の過去29大会で、大阪勢の優勝は計14回。平成最後に大阪桐蔭が初優勝すれば、30大会のうち半数の15回が大阪代表で占めることになる。

自慢の攻撃力で勝つ。今大会4戦で全出場校中最多の245得点。対する桐蔭学園は200得点。既に前回大会優勝の東海大仰星(現東海大大阪仰星)の182得点を大きく上回る。ここまで4トライのWTB三島琳久(3年)は「BKの勝負には自信がある。桐蔭学園には選抜で負けているので、必ずやり返します」。

前回決勝で故障者が出たため先発に抜てきされながら、不完全燃焼に終わったFB伴井亮太(3年)も「1年前は何もできず迷惑をかけた。僕がしっかり前に出て、チームに恩返しがしたい」と目を輝かせた。

守備力でも圧倒する。大阪桐蔭の41失点に対し、桐蔭学園は倍以上の91失点。綾部監督は、相手のキーマンであるSH小西主将を警戒しつつも「意識しすぎないように伝えている。自分たちの形を貫く自信もある」。松山主将も「昨年より僕たちは余裕がある」。大きなけが人はなく、精神的にも充実。初の日本一へ準備は整った。【益子浩一】

◆桐蔭メモ 大阪桐蔭は1983年(昭58)に大産大高大東校舎として設立。88年に独立し現校名に。一方、桐蔭学園(神奈川)は64年に「私立ならではの教育」を目指して設立された。ただ「桐蔭」といえば和歌山の公立校、桐蔭の歴史が古い。前身は1879年(明12)設立の和歌山中で、48年に現校名となった。3校とも校名に同じ「桐蔭」が入っているが、まったく関係はない。