ラグビーW杯日本大会で初の8強入りを果たした日本代表の長谷川慎スクラムコーチ(47)が、来年1月から、16年まで指導していたヤマハ発動機に復帰することが22日、関係者への取材で分かった。

日本代表については、去就が流動的となっているジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)が続投すれば、サポートを続ける可能性もあり、ヤマハ発動機側も柔軟な姿勢を示しているという。

長谷川氏は、現役時代にサントリーで活躍し、日本代表としても99、03年W杯に出場。引退後にフランスにコーチ留学し、ヤマハ発動機で「日本一」と称されるスクラムを作りあげた。 現役時代に日本代表としてともに戦ったジョセフHCからのラブコールを受け、16年10月に代表コーチに就任。実直な人柄と熱い指導で選手から慕われ、3年間をかけ、足の位置1センチにまでこだわる「日本流」スクラムを構築した。W杯では、世界屈指のスクラムを誇るアイルランドと互角に渡り合うなど、初の1次リーグ突破に大きく貢献。その手腕は国内外で高い評価を受けていた。水面下で複数のチームが獲得を目指したとみられるが、かねて、日本代表に快く送り出してくれた「古巣」への感謝を語っており、迷いなく復帰を決めたという。

今季のトップリーグは、W杯期間の開催を避け、開幕は20年1月。ヤマハ発動機は清宮克幸前監督が昨季限りで退任し、コーチとして長谷川氏とともに清宮氏を支えてきた堀川隆延氏が指揮を執る。長谷川氏と堀川氏はW杯に向けた日本代表強化のための特別チーム「ウルフパック」でも、ともにコーチを務めており、強力タッグで悲願のリーグ初優勝を目指していく。

◆長谷川慎(はせがわ・しん)1972年(昭47)3月31日、京都市生まれ。東山高から中大に進学。サントリーに入社し、97年の香港戦で日本代表デビュー。代表は40キャップ。99、03年W杯出場。07年に現役を引退し、サントリー、ヤマハ発動機、サンウルブズなどでコーチを務める。現役時代は179センチ、96キロ。