【トゥールーズ(フランス)=松本航】日本(世界ランク14位)が1次リーグ初戦を白星で飾った。

チリ(同22位)に42-12で勝利。前半6分に先制トライを許したが、リーチ・マイケルら6トライをあげ4トライ以上のボーナス勝ち点を得た。

先発NO8姫野和樹主将(29=トヨタ)が左ふくらはぎの故障で当日に欠場。不測の事態を一丸で乗り越えた。19年日本大会は過去最高8強で、合言葉「One Team」が流行語大賞となった。今回のテーマは「Our Team(私たちのチーム)」。イングランド(同8位)との第2戦(17日、ニース)に向かう。

気温30度超えの暑さに、叫びながら国歌を歌ったチリの勢いが重なった。大観衆はウエーブで特有の雰囲気に包まれ、前半6分にSOフェルナンデスの先制トライを許した。「自分たちが積み重ねたことを信じる」。プロップの稲垣の言葉通り、すぐに敵陣に入る。2分後、SH流を起点にロックのファカタバがインゴールに飛び込んだ。30分にはWTBナイカブラが切り込み、同41分にはモールからファカタバがトライ。地力で主導権を取り戻した。

ピッチには、仲間に情熱を注いできた姫野がいなかった。2日前の発表時点では先発NO8に名を連ねたが、左脚の状態が思わしくなく、当日に欠場が発表された。メンバー外から代表1キャップのサウマキが先発ロックに入り、ロックのコーネルセンをNO8とした。試合前日、プロップ稲垣は「あうんの呼吸が備わっている」と他の選手でのかじ取りに自信を示した。

ラグビー一色だった19年日本大会から4年。コロナ禍の翌20年は欧州勢などがしのぎを削る中、日本代表活動が止まった。実質3年間の強化は厳しく、旧ティア1(世界の強豪10チーム)に1勝もできず、W杯前の代表戦も1勝5敗。それでも大会前、この日のゲーム主将を務めたSH流が「(19年に)僕らが全勝でベスト8なんて、誰も想像していなかった。僕らは準備ができている。見ていてください」と言い切った。

合言葉は「Our Team」に変わった。「絆」「勇気」「導く」「ボンド(つながり)」…。厳しい状況下で1つになる言葉をつくり、練習場や宿舎などいたる場所に貼られた。フッカー坂手は「新たな選手が入ってきた時、代表はどういうものなのかを残す」と説明する。姫野の主将決定は7月末。そこまで流、、坂手、リーチらが試合で主将を務め、今大会限りで退任するジョセフ・ヘッドコーチは「日本に来てから、たくさんのリーダーを成長させられた。頼れる選手がたくさんいる」と自信を示した。“私たちのチーム”としての真価が見えた。

課題も残る。前半に続き、21-7で入った後半も8分に最初のトライを献上。CTBライリーがシンビンで10分間の一時退場となるなど、反則、防御面で修正点もある。それでも、勝った。最高の良薬を得て、イングランドに食らい付く。