仙台6大学野球秋季リーグ(30日開幕)で、東北福祉大が4季連続55度目の優勝を狙う。投打に役者がそろう中、23日の新人戦準決勝では1年生右腕・中根佑二(仙台育英)が東北工大を3安打8奪三振完封。大学公式戦初先発初完投勝利で、秋の活躍が期待される。昨秋は、東北・北海道王座決定戦で敗れており、秋季リーグ完全制覇で2年ぶりの明治神宮大会出場につなげるつもりだ。

 仙台育英でヤクルト由規(18)と同期の中根が、先発候補に名乗りを上げた。最速145キロ。今春リーグは、3試合で1回2/3の登板だったが、新人戦での大学初先発初完封で秋への手応えをつかんだ。中根は「新人戦ですから。でも自信にはなりました」と語る。

 春の仙台大1回戦では、3-3の9回に救援し、2連続四球で降板。サヨナラ負けの黒星を喫した。夏場は投球フォーム安定と制球力を強化。投球時の歩幅を変化させることで「腕の振りが良くなり、スライダーとフォークのキレと曲がりも良くなった」という。チェンジアップも習得中で「(リーグ戦で)まだ1年生投手の白星がないので一番乗りしたい。将来は(由規と)同じ場所にいきたい」と意欲を見せた。

 投手陣は、今春急成長した森山一茂(2年=大分・楊志館)と桑鶴雄太(2年=青森・光星学院)の後ろに、菊川直哉(徳島北)真壁賢守(宮城・東北)の4年生2投手が控える。野手では今春、右足の疲労骨折で出遅れた平野和樹(2年=京都・平安)も復調。山路哲生監督(42)は「(レギュラーは)春がベースになりますが、まだ固まっていません。目標は日本一なので、公式戦でいろいろな選手を試しながらリーグ後半まで高めていきたい」とチーム内競争を強調した。【佐々木雄高】