社会人野球JR北海道のエース神田幸輝(36)が今季限りで現役を退き、来春から札幌大谷高野球部のコーチに就任することが決まった。5日、本人が明らかにした。社会人で14年間プレーした不屈の左腕は今後、高校の指導者として第2の野球人生に船出する。

 昨夏の都市対抗では初戦から4連投、チーム初の4強の原動力となった。チーム最年長で「連投がちょっときつく感じるようになった」というが、チーム側では来季も兼任コーチとして現役を続けてもらう意向だった。だが札幌大谷側からのコーチ就任要請に、新たな道を選んだ。

 札幌大谷高は来春男女共学化し、硬式野球部も発足する。監督に決まっている太田英次さん(41)は神田がサンワード貿易に所属していた当時のマネジャー。「コーチを探していたが、彼なら指導力、人間性とも最適。投手部門を任せたい」と期待する。系列の札幌大谷大職員となり、高校野球部の指導に当たる。

 来年3月31日までコーチとしてJR北海道に在籍し、4月1日付で新天地に赴く。神田は「高校時代の監督が僕にとって指導者としての原点。だから高校生を教えるのはあこがれだった。機会があれば監督もやってみたい」と意欲的。目標は東京ドームから甲子園へ変わる。【本郷昌幸】