<全日本大学野球選手権:関西国際大9-0道都大>◇2日目◇10日◇2回戦◇神宮

 道都大(札幌学生)が関西国際大(阪神大学)に、0-9の7回コールドで屈した。0-1の3回、武山伍織(ごおる)投手(3年=釧路江南)が3ランを浴び、続く4回にも4点を奪われるなどし、全国2勝目はならなかった。そんな中、初めて全国舞台を踏んだ1年生右腕、佐藤峻一(北見柏陽)が、最速146キロの直球を武器に2回を1安打1失点と、今後につながる投球をみせた。

 0-8の5回裏からリリーフした佐藤峻は「ブルペンとは全然違いました」と初めての神宮のマウンドに、緊張は隠せなかった。先頭打者にストレートの四球を出すと、1死二塁から左二塁打を浴び1失点。続く打者にも四球を与え、1死一、二塁とした。しかしここで踏ん張った。速球にフォークを交え、後続を左飛、三振に仕留めた。「緊張で力の7割しか出せなかった」と、メンタル面の強化を課題に挙げた。

 山本文博監督(53)は大敗に、「エースの若杉が登板しない試合は、選手の気持ちがいまひとつ。ミスが出るのもその表れ」と2番手以降の投手の成長を促した。経験を糧にし、佐藤峻がその1人として育つことが、チームのレベルアップには不可欠になる。

 初の全国1勝は挙げたが「もっと高い目標を達成するには、繊細で緻密(ちみつ)な野球がまだ足りない」と山本監督は今後に向けた。次なる全国の舞台は秋の明治神宮大会。「代表になってまた投げたい。その時にはもっといい投球をしたい」と佐藤峻は誓いを立てた。【中尾猛】