<全日本大学野球選手権:八戸大3-0佛教大>◇2日目◇9日◇2回戦◇東京ドーム

 八戸大(北東北)の最速146キロ左腕、塩見貴洋投手(4年=帝京五)が佛教大・大野雄大投手(4年=京都外大西)とのドラフト候補左腕対決を制した。9回5安打7奪三振で完封。今春リーグ戦では史上初の防御率0・00をマーク。無失点記録を伸ばす全国デビューで8強入りした。

 北東北の「ミスターゼロ」塩見が、初の全国舞台でも完封勝利を挙げた。春のリーグ戦で39回1/3を無失点で、この日の完封で48回1/3。チームを5年ぶりに8強へ導いた左腕は「自信が深まりました」と笑顔を見せた。

 東京ドームの雰囲気に「緊張した」と、いきなり先頭打者に四球を与える。それでも5回まで無安打投球。181センチから投げ下ろす伸びのある直球を主体に相手打線に的を絞らせない。プロ注目の相手エース大野に対し「同じ左腕として負けられない」と奮起。ヤクルト八重樫スカウトは「次世代を担う左腕。1年を通してやれる。間違いなく(ドラフト)1巡目を狙える」と絶賛した。

 冬場の鍛錬が実を結んだ。ウエートトレーニングで下半身強化。右腕を大きく使うフォームに変え、体が突っ込むクセを修正した。さらに就寝前、夜食の「ふりかけご飯」を毎日1杯食べ体重を4キロ増やした。藤木監督も「能力的に、まだまだやれる子」と、期待は膨らむばかりだ。【三須一紀】