元ロッテの里崎智也氏(野球評論家)の「ウェブ特別評論」を掲載中。21回目は「いざ!ラストスパート」(セ・リーグ編)です。

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 ペナントレースも大詰めに突入した。セ・リーグは、すでに広島に優勝へのマジックナンバーが点灯しカウントダウンに入った。いっぽう、パ・リーグは6月にも最短マジック点灯かと思われていたソフトバンクが、日本ハムの快進撃でデッドヒートとなっている。残り20試合前後、各球団の現在の置かれている位置をセ・パ2回に分けて再度確認してみたい。今回はセ・リーグ編。

【広島】

 言うまでもないがほぼ決まりだろう。不安材料もない。今後心配なのはけが人だけ。CS、日本シリーズまで現有戦力で戦えるか。

【巨人】

 目標はCS2位キープ。CS圏は当確だろうが、中継ぎ陣につないだ際に逃げ切れないケースが目立つのが不安だ。先行しながらも逆転負けが気になる。先日23~25日の優勝にわずかな望みをかけての広島3連戦だった。初戦取って「よし」というところで2戦目、3戦目がまさかの逆転負け。象徴とも言えるエース菅野、守護神沢村が打ち込まれ、ぐうの音も出なくなった。

【DeNA、ヤクルト、阪神】

 CS3位争いはDeNA、ヤクルト、阪神の3球団にほぼ絞られた。五輪開催となった2~21日までの期間でDeNAは16試合6勝10敗。ヤクルトは16試合9勝7敗、阪神は17試合8勝9敗だった。DeNAが“夏バテ”で自ら落ちていったため3球団が肉薄してきたという格好だ。特にDeNAは、抑えの山崎康に黒星が4つもついたのが痛かった。

 ヤクルトは終盤に向けて主力が戦列に戻れるか否かがひとつの鍵となる。畠山は厳しそうだが、川端がどうか。阪神はシーズン当初から中継ぎ陣が手薄だったが、精いっぱいのところで戦い、ここまできた。セ・パ両リーグのCS争いを見渡すと目を離せないのはこの3球団の奮闘ぶりか。

【中日】

 来季に向けて、あるいはオフの契約交渉を優位に進めるために選手は、自分の成績をアップさせるよう頑張るしかない。チーム成績が振るわなくとも、自分の成績が上がれば当然だが給与は上がる。

 残り試合も少なく、いまさら、ここを改善しようとか手当てできるはずもなく文字通りの総力戦だ。自分の打順で、ポジションで。1人1人が与えられたプロの仕事をまっとうすること、これしかない。

 ◆里崎智也(さとざき・ともや)1976年(昭51)5月20日、徳島県生まれ。鳴門工(現鳴門渦潮)-帝京大を経て98年にロッテを逆指名しドラフト2位で入団。06年第1回WBCでは優勝した王ジャパンの正捕手として活躍。08年北京五輪出場。06、07年ベストナインとゴールデングラブ賞。オールスター出場7度。05、09年盗塁阻止率リーグ1位。2014年のシーズン限りで引退。実働15年で通算1089試合、3476打数890安打(打率2割5分6厘)、108本塁打、458打点。現役時代は175センチ、94キロ。右投げ右打ち。

(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「サトのガチ話」)