第97回全国高校野球選手権で準優勝した仙台育英ナインが21日、地元仙台に“凱旋(がいせん)”した。この日夕に新幹線でJR仙台駅に到着すると、多くの市民らが拍手で出迎え。学校に移動しての準優勝報告会では、佐々木柊野主将(3年)が「自分たちの力ではここまでこられなかった」と約500人の在校生らに感謝の言葉を口にした。

 全員が晴れ晴れとした表情だった。この日午後6時半ごろからスタートした仙台育英校舎での報告会には、生徒や保護者ら約500人が集まった。制服姿のナインは大阪から新幹線移動の疲れも見せず、堂々と入場行進。壇上に上がると、一斉に大きな拍手がわき起こった。

 佐々木柊主将は、輝く準優勝盾を足元に置き「自分たちの力ではここまでこられなかった。(地元での)毎試合の応援は知っていました。力になりました」とナインを代表して感謝のあいさつ。「本音を言えば優勝したかったですが、一生忘れられない最高の夏になりました」と笑顔を見せた。

 続いて佐々木順一朗監督(55)が「『よくやった』と声をかけられて、昨日に増して何で優勝できなかったのだろうという気持ちが募った。追いついた(後の)8回にもう1度戻りたいな」と決勝戦を振り返りつつ「夢はまた、新たな100年へスタートした。挑戦を続けたいと思います」。すぐに始まる新チームでの戦いに向け、力強く話した。

 全試合に登板したエース佐藤世那(3年)も故郷に戻り、ほっとした様子。「(駅前の)ヨドバシカメラを見て、帰ってきたな、と実感がわきました」。仙台駅到着時は、身動きできないほどの市民の大歓声で出迎えを受け、健闘をたたえられた。すぐにU18日本代表として関西に戻ることになるが「甲子園ではいろんなことを経験できた。最高でした。次は世界一。そこへ向かって-」。真剣なまなざしで次なる目標を見据えていた。【成田光季】