高崎健康福祉大高崎(群馬)が、代名詞の「機動破壊」ならぬ「瞬間破壊」で、桐生南の最速146キロ右腕・東宮諒投手(3年)を打ち崩し、8強進出を決めた。

 先発の石毛力斗投手(3年)が桐生南打線に捕まり、失策も絡んで3回までに5点のビハインドを背負った。だが、5回に死球と犠打を挟んだ4連打で1点差に迫ると、打席には2番の宮本隆寛内野手(3年)。俊足が武器の韋駄天(いだてん)は、内角高め直球を振り抜くと、打球は右翼スタンド後方のネットに突き刺さり、逆転2ラン。この回だけで6点を奪い、4回まで無安打に封じ込まれていた好右腕を10分足らずの猛攻で打ち崩した。この猛攻に東宮は「5回は覚えていない」と試合後も放心状態。高崎健康福祉大高崎の青柳博文監督(44)も「負けを覚悟していた。夢のよう」と振り返った。

 また7回には、四球で出塁した宮本が今大会早くも6個目の盗塁を決め、4番の山下航汰内野手(1年)の適時打で生還する“本来の形”でダメ押しのホームを踏んだ。「自分が塁に出ることで、健大らしい野球ができる」と宮本は本塁打に浮かれることなく、次戦でも持ち味の俊足を発揮することを誓った。【高木遊】