来春センバツへの重要な参考資料となる秋季高校野球東海大会が、22日に開幕する。2年ぶりのセンバツ出場を目指す静岡(静岡3位)は、22日の1回戦で桜丘(愛知2位)と対する。正捕手の森康太朗(2年)は、7番ながら公式戦打率はチーム1位の5割。エース左腕の池谷蒼大(2年)を巧みにリードしながら、打撃でもキーマンとなる。

 森は常に冷静であり、堅実なプレーでチームに貢献している。「守りでも打撃でも、冷静に自分の役割を果たすことが大事。経験を生かして投手をしっかりリードしていきたいです」。

 今春から正捕手を務めているが、2学年上の堀内謙伍捕手(19=楽天)からの教えを深く胸に刻んでいる。短い期間だったが、ともにプレーしてキャッチングなどを学んだ。

 「捕手で一番大事なのは『信頼されること』。そのための技術だと教わりました。堀内さんは一番に投手のことを考え、細かいところまで気を配っていた。だから信頼されるんだと思いました」

 森も堀内に倣い、投手陣との関係性を築いてきた。結果、エース左腕の池谷が「森のサイン通りに投げるだけです」と絶大な信頼を寄せるまでになった。栗林俊輔監督(44)にも「捕手としての経験が、守りはもちろん、打撃、走塁、野球全体に生きていますね」と言わしめている。

 初戦の相手、桜丘のエースは最速142キロ右腕の原悠莉(2年)。センバツ切符をつかむには3連勝での決勝進出が目安になるが、森は「今年は春、夏と悔しい思いをした分、甲子園に行きたい思いは強いです」と話す。1学年上の先輩たちの思いを胸に、聖地を目指す。【鈴木正章】