センバツ出場の静岡が22日、明日24日の不来方(岩手)戦に向けて、大阪市内で調整した。リトルリーグで世界2位を経験した藤田誠也内野手(3年)は、WBC日本代表の準決勝敗退を惜しんだが、「世界の4強」に刺激を受けた。静岡の目標も4強。小学時代から知る清宮幸太郎内野手(3年)が主将の早実と準々決勝で対戦し、目標を達成する思いを強くした。

 藤田誠は「世界を知る男」だ。小6の浜松南リトル時代に6番三塁として、米ペンシルベニア州で開催された少年硬式野球の世界選手権で準優勝を果たした。当然、侍ジャパンの戦いは気になり、この日の練習後に敗戦を知ると、「優勝してほしかったので残念ですが、前回も準決勝ですよね。世界の4強はすごいです」と話した。

 今大会、静岡の目標は、戦後初の4強以上。その上で藤田誠が対戦を望むのが、清宮のいる早実だ。清宮が東京北砂リトル時代から定期的に練習試合で対戦。当時、投手だった藤田誠が初めて本塁打を浴びたのが清宮で、試合には1度も勝てなかった。

 清宮がどんどんビッグネームになる中、昨年11月には明治神宮大会で早実と対戦。久々に再会すると清宮も藤田誠を覚えており、「またやりたいね」と言われたという。今年1月27日のセンバツ出場決定後には、LINEで「お互い頑張ろう」などとやりとり。現在は「清宮との初白星を甲子園で挙げたいです」と意気込んでいる。互いに順当に勝ち進めば、準々決勝での対戦となるだけに、その思いも強くなっている。

 この日、チームはノック、投内連係の確認、フリー打撃と通常のメニューを消化した。打倒清宮の前に、まずは「一戦必勝」で、初戦の不来方戦に集中する構えだ。【鈴木正章】