早実(東京)の清宮幸太郎内野手(3年)が、都内のグラウンドで行われた津田学園(三重)との練習試合で高校通算89号のソロ本塁打を放った。0-0の4回無死、津田学園・水谷の外角カーブを右中間の防球ネットに突き刺した。2戦連続の1発で史上4人目の90号に王手をかけた。

 「ゾーン」に入った。4月15日の春季東京大会の準々決勝・駒大高戦の2打席連発から、4試合連続を含む7試合で10発。4月30日の宮崎大宮戦では1試合3発を放つなど、3試合でマルチ本塁打を放った。3月8日の早大B戦の79号以降、39打席ノーアーチと不調に陥ったが、打撃フォームの修正で復活した。

 今春の県大会で準優勝した津田学園・佐川竜朗監督(38)に、超一流の先輩の姿を呼び起こさせた。同監督はPL学園出身で、阪神福留の1学年下だった。「(捕手が)スイングが消えて、バットが見えなかったと言った。福留さんも練習で全部ホームランでしたが、清宮君も同等くらいすごい」と驚かせた。

 技術の高さでも、佐川監督に衝撃を与えた。5回1死一塁。泳ぎながらもバットの芯でとらえた中堅ライナーに「バットの振り幅が広い。高校生レベルではないです」と驚嘆させた。今月だけでも10試合以上予定され、3ケタの大台超えを完全に視界にとらえた。【久保賢吾】