第90回記念選抜高校野球大会(23日開幕)の甲子園練習3日目が20日、行われ16校が登場した。雨天のため室内練習場が使用され、明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督(62)は今大会から導入されるタイブレーク制の戦い方に言及。「(タイブレーク制になるのは)100試合に3試合でしょ」と話しながらも、“馬淵流攻略法”の一端を明かした。

 史上5位、甲子園通算49勝の名将がタイブレーク制を語った。明徳義塾・馬淵監督は「言ったって100試合に3試合でしょ」と特化した練習はしていないと話したものの、策はしっかり準備していた。

 “馬淵流タイブレーク攻略法”は多彩だ。攻め方は先攻後攻、相手の打順によって変えるという。例えば先攻の場合。単純に打たせることもあれば、相手が下位打線で2点取れば勝てると踏めば、確実に2点を取りに行く。相手が主軸から始まるなら、ビッグイニングを狙うプランだ。

 「足の速いランナーがいたら重盗で二、三塁狙いにいく時もあるし。バントで行きたいところを一塁、三塁のチャージがきつかったら、打てと。あるいはバスターエンドランもありやなと。そういうことはミーティングでも言ってます」

 また後攻の場合に「(攻撃が)8番からだったら、8番9番に代打使う可能性大ですよ」。すでに右投手への代打、左投手への代打と起用が考えられる選手にはミーティングで告げているという。

 「左投手で非常にモーションが大きくて、捕手の肩が強くないと。それやったら三盗を狙って走らせて、二、三塁の展開作りゃ最高にいいですよね。そうなったらの話やけど(笑い)」

 昨年6月には智弁和歌山と練習試合を行い、同点だったため試験的にタイブレーク制で戦った。勝ったのは智弁和歌山だったが、ハイレベルの相手と経験できたのは財産だ。馬淵監督自身は、甲子園通算50勝へあと1勝。「49っていうのはあまり縁起のええ数字じゃないけえねえ…かと言って50勝が縁起がええかどうか知らんけど。出来ればそりゃ1勝でも多くしたいですよ」と馬淵節。節目の勝利へ最善を尽くす。【磯綾乃】