<高校野球広島大会:広島工9-4福山誠之館>◇19日◇4回戦

 新井2世が3戦連発!

 広島市民球場では超高校級スラッガー沖野哲也(3年)に3試合連続の一発が飛び出すなど、阪神新井の母校・広島工が福山誠之館を9-4で下した。

 超高校級スラッガーの一振りが勝負を決めた。6-3で迎えた8回1死一、二塁。広島工応援団の陣取る一塁側スタンドからの「ドカンと一発!」コールが、打席の沖野を全開モードにした。マウンドには福山誠之館の3番手・赤木。前打者を打撃妨害で出塁を許した直後の初球だった。内角低めのストレートをコンパクトに振り抜くと、白球は左翼ポールを直撃するトドメの3ランとなった。

 偉大なOB阪神新井もビックリだ。初戦からこれで3戦連発。右腕を高々と上げながら通算48号を見届け、ゆっくりとダイヤモンドを一周した沖野は「連続弾?

 応援してもらい気合が入る。うれしいです」。

 最終打席でパワーを解き放った沖野だが、小技もスゴイ。初回無死一、二塁。複数球団が見守る中、注目の第1打席は三塁線に見事な犠打。スラッガーの初球バントと全力疾走で、相手の悪送球を誘い、2者生還と流れをつかんだ。

 この時に一塁妹尾と激しく接触し、左脇腹を痛めたが「打席に入ったら関係なかった」(沖野)。プロ関係者も感嘆の声を上げるパワーの沖野。目標とする通算50号で、甲子園出場切符をつかみ取る。【佐藤貴洋】