女性に集団で乱暴したとして集団強姦(ごうかん)の疑いで、群馬県警高崎署が私立桐生一高校(同県桐生市)1年の男子生徒(16)ら少年3人を逮捕していたことが14日、分かった。同校では今年7月、元生徒による傷害致死事件や野球部員による強制わいせつ事件が立て続けに起き一時、夏の甲子園大会出場が危ぶまれるなどしたばかり。生徒は軟式野球部員で、今回の事件も7月に起きていたという。全校あげて「再建」に向けて取り組んでいた矢先、またも深刻な不祥事が発覚してしまった。

 高崎署に集団強姦の疑いで逮捕されたのは、桐生一高校1年の男子生徒のほか、私立高崎健康福祉大高崎高校(高崎市)の1年男子生徒(15)、群馬県外の高校の元生徒。調べでは、3人は7月下旬、高崎市内の公園に女性を呼び出し、集団で乱暴した疑い。

 3人は13日に逮捕された。その後の調べで、女性に酒を飲ませ泥酔させていたことが分かったため、同署は14日、3人を集団準強姦容疑などで送検した。

 関係者によると、被害者は容疑者とは別の高校に通う女子高生。桐生一高によると、同校の生徒は身長約175センチ、やせ形。授業にもまじめに出席し、過去学校内で、不良行為や問題行動などはない「普通の高校生」という。高校野球関係者によると、軟式野球部に所属していたという。

 事件は7月下旬に起きたとされるが、桐生一高側は今月13日に逮捕されるまで事件や捜査を知らなかったという。同高によると、13日午後、一部メディアから事件について取材があり、それをきっかけに高崎署に確認し、逮捕を把握した。

 桐生一高では同じ7月に不祥事が相次ぎ、学校が大きく揺れたばかりだった。7月22日には、1年生の男子生徒(当時15)がネット上の書き込みをめぐって殴られ死亡。元同級生が逮捕され、同高生徒3人が書類送検された。同31日には、硬式野球部に所属する2年生男子生徒(当時16)が、同22日に女子高生を触ったとして強制わいせつ容疑で逮捕された。

 桐生一高は、夏の甲子園大会出場が決まっていたが、一時出場が危ぶまれる事態に。結局出場したが、野球部長や当時の校長が引責辞任。9月、再発防止に向けた改善計画書を群馬県に提出し、朝のあいさつ運動の実施や、生徒に命の大切さを説くなど「学校再建」に取り組んでいた矢先の不祥事発覚だった。

 桐生一高によると、強制わいせつ事件の男子生徒と、今回の男子生徒は面識がない関係という。同校幹部は「大変卑劣な行為で逮捕され、被害者のかたに対し、申し訳ない気持ちでいっぱいです。(強制わいせつ事件発覚後も)生徒が事件について申し出てこなかったことは、私たちの力不足でした」と話した。