<高校野球山形大会>◇10日◇1回戦

 東北の「夏初勝利」は山形城北が投打にど派手に飾った。打線が爆発し、庄内農を相手に36-0で5回コールド発進した。先発の堤達郎(3年)は、参考記録ながら完全試合を達成した。

 打っては23安打で36得点、投げては堤が12奪三振で5回参考記録ながら完全試合を達成した。開幕戦での完全試合は、関係者も「完全試合自体が珍しい。まして開幕戦では記憶にない」と話した。

 投打に力の差を見せつけての完勝に増井文夫監督(42)は「打つ方は風に助けられた。守りはきっちりやってくれた」とまず守備をたたえた。堤の先発は2週間前から決めていたが「めったにできることじゃない」。予想以上の投球に驚いた。堤は「直球とスライダーで自分の投球ができた」と話した。持っている変化球3種類のうち1種類しか使わずに達成した快挙にも「リズム良くいけばこれくらいは(やれる)」と胸を張った。

 堤はこれが「公式戦初登板」だった。投手を始めたのも今春だ。もともと捕手だったが、昨年11月の練習中に左手の親指を複雑骨折し、手術した。医師から「(捕手を続けたら)また同じけがをする危険がある」と言われ、肩の強さを生かしての投手転向を決意した。

 こだわりを持っていた捕手からの転向はつらかったが、その経験は今も生きている。「打者を観察して、配球を考える」と「ID投手」の顔ものぞかせる。次は12日に強豪・日大山形と当たる。背番号10の堤はベンチから出番に備えるつもりだ。「いつでも行けるようにしておきます。マウンドに立ったら自分がエースですから」と頼もしかった。