秋季高校野球東海大会は1日に大垣日大(岐阜1位)が優勝、中京大中京(愛知1位)の準優勝で幕を閉じた。05年以来4年ぶりに2回戦で出場3校がすべて敗れた静岡県勢は、来春センバツ出場が絶望的となった。県大会で猛打を振るった静岡商や2位東海大翔洋、3位常葉学園橘はそろって打線が沈黙。東海3県の投手陣を打ち崩せなかった。3校の戦いぶりを振り返りながら、夏の甲子園までの課題を挙げてみた。

 センバツを懸けた東海大会で、県勢3校はそろって2回戦で敗れた。最近10年間で出場したのは5度(5校)と、春の甲子園を逃すことは決して珍しくはないが、ここ3年間は連続出場、07年の常葉学園菊川の全国制覇など好成績を収めていただけに寂しい結果になった。「県大会では打って勝ってきたけど、東海に来ると投手のレベルが上がる」。静岡商の羽山弘起主将(2年)が敗戦後に漏らした言葉が、県勢にとっての今大会を表していた。

 東海大会で3校が全5試合で放ったのは26安打(1試合平均5・2本)で、2回戦に限れば3戦計10安打。県王者の静岡商は5安打に封じられ、常葉橘は9回2死まで無安打無四球に抑えられた。県大会全5戦で2ケタ安打の静岡商を始め、平均9・2安打の東海大翔洋、同10・8安打の常葉橘が沈黙した。

 常葉橘の黒沢学監督(32)は「今回は左の好投手が多く、本当に試合が締まっていた」とうなった。今夏の甲子園で愛知の中京大中京が優勝、岐阜の県岐阜商が4強と、東海の2校が上位に食い込んだ。世代が移った東海大会でも両県代表の勢いは衰えず、近年よりレベルが上がっていた。

 一方で、県勢は3年生の世代に広島4位指名の常葉橘の庄司隼人、静清工の五藤康明、小井敬宏、静岡学園の鈴木健太ら最速140キロ超の好投手がそろっていた。ところが彼らが“卒業”した今、肩を並べる投手は見当たらない。県大会の猛打が東海大会で通用しなかった裏付けにもなっている。

 県勢の代表校が夏の甲子園で上位をうかがうためには打力のレベルアップが必要なのは間違いない。県内に好投手は不在でも、近隣県は粒ぞろいだけに、練習試合などで積極的な武者修行に出るのが効果的だろう。加えて前出の静岡商・羽山は「バントや小技をきちんと効かせていかないと勝てない」と、強豪校に触れたことで確実に得点を重ねるために必要なことを学んでいた。武者修行は何も打力アップだけが目的ではない。好投手から得点を奪うために必要なことを学ぶ場になるはずだ。