第84回選抜高校野球(3月21日開幕、甲子園)の出場校が27日、大阪市内で開かれた選抜選考委員会で決定し、昨秋の全道大会で優勝した北照(北海道)が、2年ぶり4度目のセンバツ代表に選ばれた。2年前はヤクルト入りした又野-西田のバッテリーを擁したが、現チームはスター選手不在も「一芸」を伸ばすことで総合力を高めてきた。昨年11月の明治神宮大会準決勝で愛工大名電(愛知)に敗れたことを転機に、今冬はパワーアップに取り組んだ。10年の8強超え、そして目標の全国制覇へチーム一丸で挑んでいく。

 歓喜の雄たけびが雪景色の小樽にひと足早い「春」を告げた。午後3時3分に校長室に吉報が届けられると、ナイン全員が玄関前に集合した。待ちわびた父母や在校生の前で花火が上がり、くす玉が割られるのと同時にクラッカーが鳴らされ、「ウォー」とナインから何度も声が上がった。佐藤星七主将(2年)は「(前日は)眠れない人もいたが、僕もその1人。うれしくてホッとした」と顔を紅潮させた。

 「18人18色」野球で勝負する。又野知弥、西田明央(ともに現ヤクルト)を擁し、ベスト8まで進出した10年春のような強力な柱はいないが、河上敬也監督(52)は「一芸を育ててきた」と話すように個性を伸ばすことでチーム力アップにつなげた。昨年11月の明治神宮大会後、それまで主砲だった小林英太郎(2年)を投手兼任にする荒治療を施したのもそのひとつ。

 技巧派のエース、大串和弥(1年)とスライダーに威力のある右の三浦翔(2年)に、180センチの長身から繰り出す速球が加わり、個性がより生きた。小林は「打者の時も下半身が疲れると手打ちになる。強化したことで球も飛び始めている」と投打で「一芸」が強化されたことを実感する。

 明治神宮大会準決勝で愛工大名電に2-6で敗れたことでパワー不足を痛感し、今冬は肉体改造に着手した。秋から全員が体重3キロ増に成功。佐藤主将は「全国で勝負する自信がついた」と話し、河上監督も「チームは変わってきた。足りない面はあるが、2年前になかった勝負強さがある」と成長を認める。

 チームはこの日のセレモニー後、センバツに向け、さっそく練習をスタートさせた。佐藤主将は「チーム一丸。全国制覇を目指します」。個性派集団が、大舞台で旋風を巻き起こす。【松末守司】

 ◆北照高

 1901年(明34)創立の私立校。特進、普通、スポーツの3コースがあり、生徒数は164人(うち女子45人)。野球部は1908年創部、甲子園は過去春3度、夏2度の出場。最高成績は昨春のベスト8。主なOBには西武米野、広島上村、日本ハム植村、ヤクルト西田、又野らがいる。スキー部も全国で活躍し、長野五輪金メダリスト船木和喜らを輩出。所在地は小樽市最上2の5の1。原岡賢吉校長。