<高校野球春季北海道大会:北海12-11北照>◇29日◇1回戦◇札幌円山
昨夏の甲子園に出場した北海が、昨秋全道王者の北照を9回サヨナラで破った。同点とされた直後の9回裏1死一、三塁で、今春から1番に座る和田真中堅手(2年)が左中間にサヨナラ打を放ち、乱戦に決着をつけた。昨秋の全道準決勝で1-9のコールド負けを喫した難敵を、新戦力を含む総力戦の末、下した。
昨秋とは違う北海が、新しい力で乱戦を制した。11-11の9回裏、これでもかと食らいついてくる北照を和田のバットが粉砕した。左中間を抜ける当たりが出ると三塁走者の玉熊がサヨナラのホームを踏んだ。両チーム合わせて26安打。力と意地がぶつかり合った2時間38分の強豪対決に、スタンドからは大きな拍手が起きた。
昨秋も全道準決勝で激突したが、北海が2回までに5失点し結局コールド負け。ひと冬越えての再戦を制した平川敦監督(41)は「昨秋は2、3回で試合が終わっていましたから。同点までいき、逆転したのは成長したということじゃないですか」。指揮官をいつもより冗舌にさせたのは、ニューパワーの存在だった。
背番号15の2番小田隼哉(じゅんや)二塁手(1年)が4安打1打点。同じ1年で、初の5番に抜てきされた吉田甫(はじめ)一塁手は、8回裏に右前適時打で2打点。今春から1番起用の和田はサヨナラ打に「北照が相手に決まった時からみんなの目の色が変わりました。9回は思いっ切りたたきました」と振り返った。監督が「和田をトップにしてチームが変わった」とその言葉通りだった。
9回から登板したエース玉熊将一(3年)は「今日は僕じゃないでしょ」といったん取材を遠慮したが、主将として「今日は攻撃からペースをつくれて逆転できました。粘り勝ち」と喜んだ。昨秋の北照戦を再現したような序盤となったが、打線があきらめずに最後にはね返した。大阪から来た1年生、小田と吉田は「こんなすごい試合ができてうれしい」と声をそろえた。
昨夏の甲子園メンバー4人を残すチームに1年生ら新戦力が融和。2年ぶり、史上最多10度目のVへ。まずは強敵に競り勝った。【中尾猛】
◆両校2ケタ得点
全道大会レベルでは春は史上3度目。70年決勝で、旭川東が11-10の延長10回サヨナラで北海を下した。98年準決勝では、東海大四が12-11の9回サヨナラで知内に勝利。今回の北海-北照は14年ぶりで、98年東海大四も優勝しており、両校2ケタ得点試合の勝ちチームは、ともに優勝している。最近では、秋の全道で09年に2試合あり、夏は10年南北海道大会1回戦(札幌一12-11駒大苫小牧)で記録している。

