<高校野球京都大会:龍谷大平安12-1京産大付>◇17日◇3回戦◇太陽が丘

 京都大会で、龍谷大平安の「銀仁朗2世」高橋大樹外野手(3年)が今夏初のマルチ安打をマークした。チーム初安打を含む2打数2安打1打点で、初戦から3試合連続コールド勝ちでの16強入りに貢献した。

 猛打全開まで、あと一息だ。龍谷大平安高橋は初回の四球に始まり、3回は左前打、4回は左中間を破る二塁打。5回コールドの試合の中で、1打席ずつ上昇カーブを描いた。

 原田英彦監督(52)から「詰まってレフト前に運んだのは、ボールを引きつけて打てたからやぞ」と4回の長打をほめられた。「3回は一塁走者の久保田が走ってくれたおかげで、普通ならショートゴロ。でも4回のヒットはいいヒットだったと思います」。高橋も手応えをつかんだ。

 1、2回戦と1本ずつ安打は打ったが、不完全燃焼。高橋を抑えれば相手ベンチは盛り上がり、本人は盛り下がる。落ち込んでいく主砲に原田監督は「考えても無駄。開き直って振って行け」と自身の長所を思い出させた。お膳立てもした。前日16日、練習の最後に1打席限定でシート打撃で打たせた。バットを振らせるのが狙いだった。結果は左中間フェンスを越える大アーチ。気持ちを切り替えて臨み、今夏初マルチの結果を出した。

 全国的に野手が少ないと言われる今年のドラフト候補で、高橋は別格だ。3回戦のこの日も、4人が視察した巨人などプロ6球団が高橋を追った。「これだけバットを振れるのが最大の魅力」(巨人益田スカウト)「潜在能力の高い選手」(ソフトバンク宮田スカウト)と球界待望の右の大砲候補と期待されている。

 今年1月5日に右肩関節鏡視下手術と右肘痛の原因だった骨片を削除する手術を受け、今夏は捕手から右翼に回った。それでも上位評価は揺るぎない。甲子園まで、あと4勝。高橋の夏が本番を迎える。【堀まどか】

 ◆高橋大樹(たかはし・ひろき)1994年(平6)5月11日、大阪・藤井寺市生まれ。道明寺東小3年から「大井リバーサイド」で捕手として野球を始める。道明寺中では「河南シニア」に所属し、3年時にAA世界大会出場。龍谷大平安では1年秋から背番号12でベンチ入りし、2年夏に甲子園出場。50メートル走6秒0。好きな選手は巨人長野。181センチ、79キロ。右投げ右打ち。