第85回選抜高校野球大会(3月22日から13日間・甲子園)の選考委員会が25日、大阪市内で開かれ、広陵(広島)は3年ぶり23度目の出場が決まった。昨秋新チーム初の公式戦で初回5失点したチームが、エースで4番の下石涼太投手(2年)を中心に力をつけ吉報を聞いた。目指すのは10年ぶりの優勝だ。

 優勝3回、準優勝3回を誇る春の広陵が甲子園に戻ってくる。やっとの思いでつかんだ切符に、下石は喜びをかみしめた。

 「正直、うれしいです。入部したときはいつでも行けると思っていたが、そんなに甘くなかった。よくここまで来られました」

 1年春にショートで定位置を獲得しながら甲子園は遠かった。昨秋からの新チームもつまずきからスタートした。8月25日の秋季広島大会初戦となるリーグ戦。初の公式戦は安佐北相手に初回5失点した。

 エースで4番の大黒柱は「この先、このチームの投手として投げていけるか不安になった」と振り返る。チームが6-5で逆転勝ちする一方で、腰痛、右肩の不安などと戦っていた。

 広島大会は3位に終わったが、中国大会では調子を上げてチームを引っ張り続けた。準優勝となり、甲子園出場を確実にした。「みんなに迷惑をかけてきた。やっと勝ち取ることができた。恩返しができてよかった」と周囲への感謝を忘れなかった。

 広陵進学を決めたのは小6だった。07年夏の甲子園、広陵-佐賀北の決勝戦を広陵側アルプス席で観戦。準優勝に終わったが、野村祐輔(現広島)の投球にあこがれた。「目標は野村投手」と話すほどだ。昨年末に同校に訪れた野村から「甲子園でもしっかり頑張れよ」と激励されたという。

 中井哲之監督(50)にとっても10年夏以来、5季ぶりの大舞台となる。「心の底から表現できないくらいうれしい。皆さんの笑顔が1回でも多く見られるように、みんなで頑張ってきます」。初回5失点の屈辱から力をつけてきた発展途上のチームだ。ひと冬を越えて強い広陵が甲子園でよみがえる。【中牟田康】

 ◆下石涼太(しもいし・りょうた)1995年(平7)4月14日、山口県下関市生まれ。中学時代はヤングリーグの下関マリナーズで投手兼遊撃手として活躍。広陵進学後の高1春から遊撃手で定位置を獲得。高2では二塁手。新チームから投手で4番。MAX144キロ。174センチ、70キロ。右投げ左打ち。