<高校野球春季東海大会:日大三島3-1中京大中京>◇23日◇1回戦◇愛知・豊田市運動公園野球場

 日大三島(静岡1位)が中京大中京(愛知2位)を下し、20年ぶりに東海大会での勝利を手にした。県大会決勝に続き、中泉圭祐(3年)が先制本塁打を放ち、投げては小沢拓馬(3年)が4安打1失点の完投。4度目となる東海大会で、初の決勝進出をかけて今日24日は、いなべ総合学園(三重2位)と対戦する。

 県大会決勝と同様に、中泉と小沢拓が勝利に導いた。4回表2死から中泉が左中間へ先制本塁打を放った。

 中泉

 悔いのないように思いっきり振ろう、と。

 高校通算19号、公式戦5号が貴重な先制点になった。1-0で迎えた9回1死二塁では適時打を決めた。

 中泉

 (2番の)高田がバントを一発で決めてくれたので、走者をかえすしかないと思っていた。

 主砲のバットにエースも応える。小沢拓は8回まで三塁を踏ませなかった。「完封しなきゃダメです」と自分に厳しかったが、ストレートとスライダーで緩急をつかい打ち取った。8回には141キロも計測。高めに浮いたこともあり「ストライクではないので」とこちらも反省の言葉が並んだ。

 20年ぶりの勝利以上に、伝統校からの勝利が心地よい。甲子園春夏通算11回の優勝を誇る中京大中京との対戦に心を躍らせていた。中泉は「伝統校とできるのはいい経験。チームのレベルアップへの成果が出ている」と手応えを感じている。

 燃える要素は他にもある。春の大会でメンバーを外れた3年生への思いだ。中泉は「みんなでいい思いをしたいと思っている」と自身の結果以上にチームへの貢献に意識が向く。それは試合中にも表れた。小沢拓が「中泉が打ってくれて楽になった」と話せば、中泉も「拓馬を助けたかった」とお互いをカバーしあっている。

 今日24日は過去3度越えられなかった準決勝の壁に挑む。小沢拓は「東海大会に出るチームは甲子園に近いチームだと思うので」と、いなべ総合学園との対戦に気持ちを切り替えた。【加納慎也】