<高校野球春季東北大会:大曲工8-5仙台育英>◇7日◇準々決勝◇秋田市・八橋球場
大曲工(秋田)が昨春王者の仙台育英(宮城)を下し、初の4強入りを決めた。先発のエース右腕佐々木貴弘(3年)が13安打を浴びるも、粘って141球完投。打線も12安打とつながり、東北屈指の強豪を打ち崩した。
大曲工ナインに、自校の応援だけでなく三塁側スタンドを埋める一般客も大きな拍手を送っていた。秋田県勢では05年の秋田経法大付(現明桜)以来8大会ぶりとなる4強。しかも相手は甲子園常連校の仙台育英。4-4の7回表1死二、三塁で勝ち越し2点タイムリーを打った鈴木健太(3年)は「個々のレベルは高いけど、同じ高校生。かなわないことはないと思って試合に臨んだ。自信になった」と胸を張った。
一瞬でも気を緩めればやられる。その緊張感が勝利を呼んだ。2回裏、先発の佐々木貴は真ん中に甘く入ったボールを仙台育英の渡辺大登(3年)に捉えられ3ランを浴びた。「失投だったけど切り替えようと」。開き直り、低めにボールを集めることだけに集中した。再三の味方の守備にも助けられ、13安打も失点は5。前日の八戸工大一戦で右手中指に打球が当たり、この日も腫れていたが「試合中はアドレナリンが出ていたので」。痛みにも耐え、141球を投げきった。
前日19安打20得点と爆発した打線が、この日も12安打8点とつながった。残塁10の相手に対し、大曲工は5つ。塁に出たらしっかり送り、練習通りバットをしっかり振る。守備でも「『下から下から』と心がけ、重心を下げて、ずっと足を動かしていた」と二塁手の鈴木。1つのアウト、1点を取る集中力で粘り勝った。
昨夏甲子園では東北6県の代表校中、秋田だけが初戦敗退するなど、県勢は全国で結果が出ない状況が続いている。田代大智主将(3年)は「そういうイメージを消したい」。秋田だって強いんだ。そんな意地を見せた、記念すべき1勝だった。【高場泉穂】

