センバツ甲子園に出場している鵡川(北海道)の柳田恭平(3年)が初戦の花巻東(岩手)戦へ準備万端だ。22日は雨雲に覆われたが、柳田ら投手陣は日本生命グラウンド(吹田市)のブルペンで50球を投げ込んだ。ソフトバンク作山スカウトが見守る中、柳田は8分の力ながら速球、フォークを中心に「投手柳田」をアピールした。

 最速145キロのエース西藤に負けない142キロの本格派右腕。一方で不動の4番でもある。マウンドを降りた後もお役ごめんとはならない。直前キャンプのオープン戦(8戦)ではチームで唯一、ほぼフルイニングに出場。疲労から足が動かなくなり「自分に腹が立って」と、グラブをたたきつけたこともあった。

 この日、西藤と柳田の投球を見た作山スカウトは「2人とも間違いなく高校ではトップ級。これからの成長が楽しみ」と高く評価。柳田も「スカウトの目にとまる投球をしたい」と本番を心待ちにしている。

 昨秋の公式戦4本塁打はセンバツ参加選手中トップタイとスラッガーとしても注目を浴びるが、本人は「投手でプロに行きたい」と一貫している。西藤との先陣争いがますます激しくなっていく。【本郷昌幸】