第82回選抜高校野球大会(21日から12日間、甲子園)の組み合わせ抽選会が13日、大阪市内で行われた。初出場の自由ケ丘(福岡)は5日目第3試合で優勝候補の東海大相模(神奈川)と激突。「兄貴分」である系列の九州共立大の力を借り、相手の今秋ドラフト1位候補・一二三(ひふみ)慎太(3年)投手対策を練る。
クジをひいた自由ケ丘の中村圭太主将(3年)が苦笑いを浮かべた。「やっちゃった、って思いました。みんなに何て言われるか…」。
初戦の相手は春夏の甲子園で優勝経験もある強豪の東海大相模。何より、大会NO・1のエース一二三を擁する優勝候補だ。「5日目の試合でよかったです。甲子園に少しでも長くいられるから」と中村主将のコメントもどことなく弱気。だが、監督として今回が6度目の甲子園になる末次秀樹監督(51)は「よかったんじゃないですかね。それだけのチームとやらせてもらえるなんてね」と歓迎した。
149キロ右腕を打ち崩すために「兄貴分」の全面協力をお願いする。自由ケ丘は多数のプロ選手を輩出した九州共立大の系列校。練習グラウンドも200メートルの距離にあり、抽選会の直前にも合同練習を行った。「去年も大きな大会の前にはエース級の投手に打撃投手をしてもらいました。今回もぜひ協力してもらえたら。生きた球はマシンとは全然違いますから」と末次監督は大学生投手を「仮想一二三」に見立て、速球に慣れる考えだ。
九州共立大の仲里清監督(55)も「もちろん、喜んで力になりますよ」と協力を惜しまない。昨夏の甲子園で花巻東(岩手)と対戦した長崎日大のエース大瀬良大地(18)も新入生として練習に合流しており、甲子園経験を持つ先輩たちが、初めて甲子園の土を踏むナインに「甲子園の心得」も伝授してくれそうだ。
周囲の後押しがあれば、149キロ右腕も恐れることはない。「センバツに出るチームはどこも強豪ばかり。どことやっても自分たちの力を出し切るだけです」。中村主将の言葉も次第に力強くなってきた。【前田泰子】

