帝京の快速右腕・伊藤拓郎投手(2年)が14日、センバツ出陣を前に完ぺきな投球を披露した。千葉市内の千葉経大付グラウンドで同校と練習試合を行い、被安打3、10奪三振で完封勝利。「腕を振ることだけ考えていましたが、よく振れました」と今季初完封を振り返った。

 この日は最速142キロをマーク、スライダーも切れた。四球も9回1死後の1個だけ。102球で千葉経大付を牛耳った。同校の松本吉啓監督は「ウチは打線のチームで、完封されたのは初めて。あの真っすぐにあのスライダーでは打てません」と脱帽した。

 実戦は今季2度目だった。先の青藍泰斗(栃木)戦では球が高めに浮き3回を1失点。それをきっちりと修正した。前田三夫監督(60)は「7回のつもりだったが、本人が完投したいといってね。あとは打線ですよ」と伊藤の投球には納得顔。その伊藤は「今日の調子を維持できたら」と早くも24日の神戸国際大付に思いをはせた。【米谷輝昭】