全国高校野球選手権宮城県大会の組み合わせ抽選会が24日、仙台市内で行われ出場80校の対戦カードが決まった。学校創立118年目で、男子校としては最後の夏に臨む仙台一は、初戦で志津川と対戦。「男子校で甲子園へ」を合言葉に、59年ぶりの聖地を目指す。大会は7月11日に開幕し、決勝は28日、クリネックススタジアム宮城で行われる。

 明治時代から続く学校の歴史も背負いながら、高橋凌主将(3年)は抽選札を手に取った。県内公立校で最古の歴史を誇る仙台一は、来年度から共学化されるため「男子校としてはラストチャンス。全員が意識してます」と高橋主将。自ら同校グラウンドのスコアボードに「勝利への執念

 男子校としての甲子園」と書き込んでいる。

 ラストイヤーだからこそ、OBの熱も高まる。49年度卒業の佐々木芳典さん(77)は、ボランティアで毎週1回、1年生の指導をする。「私の1つ後輩が甲子園に出場して以来、本大会に行ってないので、何とか行かせてやりたい」との思いで、昨年4月から始めた。ユニホーム姿の大先輩の助言を、部員たちはありがたく聞いていた。

 ムードが高まってきた4月。悲しい出来事が起きた。レギュラーで5番の曽部優貴左翼手(3年)が、右目網膜はく離で入院。手術したが、野球復帰にはドクターストップがかかった。「ムードメーカーだった。ぽっかり穴が開いた感じだった」と高橋主将。血圧が上がると眼球に負担が掛かるため、大声は出せない。だが自分のできることでチームに貢献しようと、対戦校のデータ分析やグラウンドの草取りを買って出た。59年ぶり4度目の甲子園へ、裏方として力を注いでいる。

 戦力も充実してきた。左腕エース渡辺晴仁(3年)右腕の大沼亘投手(2年)は、多彩な変化球で完投能力は十分ある。「男子校最終年で甲子園初勝利をしたい」と建部淳監督(32)。創部113年目の快挙へ-。「一高ナイン」が突き進む。【三須一紀】