<高校野球南北海道大会>◇2日◇室蘭地区2回戦
春のセンバツに出場した鵡川は室蘭清水丘を8-0の7回コールドで下した。エース西藤昭太(3年)が自身最速の146キロをマーク、相手打線を6回3安打9奪三振と完ぺきに封じた。
西藤が、たくましさを増して夏のマウンドに立った。「初回から飛ばしていく」。序盤から140キロ超えの直球とスライダーで組み立てた。2回に3者連続三振。5回1死では、室蘭清水丘6番の竹島貴徳右翼手(3年)を、自己最速を1キロ更新する146キロの外角低め直球で3球三振に仕留めた。6回で降板するまでに9奪三振、二塁を踏ませない快投。佐藤茂富監督(68)も「西藤の投球だけは満足」と目を細めた。
強い悔しさと危機感が西藤を変えた。センバツ初戦で、大会NO・1投手といわれた花巻東(岩手)の左腕菊池雄星(3年)の前に8回まで無安打と封じ込まれた。「(菊池は)すごい投手だった。でも負けたくないという気持ちもある」。春季大会では、苦い経験をバネにするつもりだった。しかし、地区代表決定戦で苫小牧東に敗れ、選抜枠で出場した全道大会では初戦敗退した。「自分のせいで負けた。絶対に忘れない」と振り返る。
ひたすら走った。好きではなかった下り坂のダッシュもノックも積極的に受けた。改造中だったフォームも昨秋の投法に戻した。左手の上げ方、重心のかけ方をビデオで見返した。センバツに比べ10キロ減の88キロに絞り、体脂肪は8%まで落ちた。「全身筋肉」と佐藤監督が評する体に変化した。中学時代から女房役の岩谷和磨捕手(2年)も「先輩の今日の球は速かった」と驚くほどだった。
センバツは3度出場している鵡川だが、夏の甲子園には出場していない。西藤は「笑ってこの夏を終えたい」と力を込める。まずは地区代表へ全力を注ぐ。【上野耕太郎】


