今シーズン限りでの引退を発表したカブスのデイビッド・ロス捕手に対して、チームメートが笑いと尊敬で送りだそうとしている、とMLBの公式サイトが伝えている。

 現在38歳のロスは2002年のドジャースを皮切りに現役を続けてきた。が、決して第一線で活躍してきたとはいえず、主に控えとして14年間で7チームを渡り歩いてきたいわゆるジャーニーマンである。100ゲーム以上出場したシーズンは2007年しかない。そんなロスは今シーズンをもって引退することを明らかにしている。

 それに対し、少しお茶目な方法で最後のシーズンを伝えようとしているのがチームメートのアンソニー・リッゾ一塁手とクリス・ブライアント三塁手だ。2人で写真を主とするSNS、インスタグラムにおじいちゃんを意味する“グランパ”を入れた“GrandpaRossy_3”というアカウントを作り、ロスの最初のベースボール・カードやスポーツ・ショップで買い物をする様子などをアップしているのだ。たわいのない笑えるものが多いが、朝6時半にトレーニングする風景の写真などもある。

 これについてリッゾは「去年彼から多くのことを学び、今年も自分の残りのキャリアのために彼からここで学んでいきたい」と語り、ロスのプレーへの姿勢に感銘を受け、そのことを広く伝えたいためだと説明している。

 もっと直接的にロスへの尊敬の念を現している選手もいる。8年総額1億8400万ドルという大型契約でFAとして今シーズン、カブスに加わったジェイソン・ヘイワード外野手だ。

 ヘイワードは2010年にブレーブスでメジャー・デビューした時にロスはチームメートで、グラウンドやロッカールームで様々なことを教えてもらったのだという。その感謝の念は強く、引退発表に対し長文の感謝メールを受け取ったとロスはコメントしている。

 そしてヘイワードは今シーズンのロード・ゲームでロスが宿泊するホテルの部屋を全てスイートルームにアップグレードし、その費用を全額負担することを明らかにしたのだ。2010年ロスは56ゲームしか出場していない。それでもヘイワードはここまでするほどの学びをロスから得たというのである。

 これほどの尊敬を集めるロスの最後のシーズンを見つめていきたい。