一時マイナーに降格され、素行の悪さからトレードの噂が出るなど何かとお騒がせなドジャースのヤシエル・プイグ外野手がまた騒動を起こした。現地19日に行われたジャイアンツ戦でジャイアンツのマディソン・バンガーナー投手と乱闘寸前の罵り合いになったのだ。

 問題が起こったのはジャイアンツが1対0でリードした7回裏2死の場面だった。打者プイグをバンガーナーは投手ゴロに打ち取り、ベンチに戻ろうとしたところで両者の目が合ったのである。するとバンガーナーが「俺を見るな!」と叫び、これに対してプイグ「何してるんだ?」と応酬。両者が詰め寄る事態となり、両チームの選手がダッグアウトやブルペンから駆けつける騒動へと発展した。

 幸い乱闘にはならず、両チームの選手が総出で両選手を引き離すことで事態は収まった。退場なども処分も出ていない。

 なぜこんな騒動になったのか。まず挙げられるのは両チームの状況だ。両チームともナ・リーグ西地区に所属しているが、現在ドジャースは首位におり、ジャイアンツは2位にいる。このゲームでドジャースは結局2対1で逆転勝ちを収めており、マジックを7とした。22日現在ジャイアンツは5ゲーム差をつけられており、地区優勝争いで苦しい状況にある。

 さらにワイルドカード争いでもジャイアンツはメッツ、カージナルスと勝ち数が並ぶ激しい競争が続いているのだ。特にジャイアンツにとってドジャースへのライバル意識が非常に高まっていることが窺い知れるのである。

 さらにプイグとバンガーナーの関係も要因となっているようだ。実はこの2人、2014年にもデッドボールを巡り、やはり両チームの選手総出となるような乱闘寸前の騒動を起こしているのである。その時の遺恨をいまだに引きずっているのだろうとする報道も多い。

 いずれにせよ乱闘には至らずこの件はこれで終了、と思ったらそうはならなかった。翌日、プイグは写真系SNS、インスタグラムの自身のアカウントで、チームメイトと共に「俺を見るな」というハッシュタグが印刷されたドジャーブルーのTシャツを着て、手で目を隠したポーズの写真を投稿したのである。アンドリアン・ゴンザレス投手も似た写真をツイッターに投稿している。

 ユーモアでバンガーナーにさらに応酬したというところだろうが、ここまでやるところがプイグらしいとも感じた。一方のバンガーナーだが、22日現在さらにリアクションを起こしたという情報は入っていない。